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AWS実践
約18分
上級
7/10
2025年9月23日

AWS DEA-C01 対策 DMSによるデータベース移行アーキテクチャ

AWS Database Migration Service(DMS)を使用したデータベース移行アーキテクチャの実装方法を解説。フルロード+CDC、異種エンジン間移行、最小ダウンタイム移行を実践的な問題を通じて理解します。

この記事のポイント

  • 1
    DMSによるフルロード+CDC移行アーキテクチャを理解する
  • 2
    異種データベースエンジン間の移行パターンを習得する
  • 3
    金融・医療・小売業界での最小ダウンタイム移行実装を把握する

目次

DMSによるデータベース移行

AWS Database Migration Service(DMS)は、オンプレミスやAWS上のデータベースを最小ダウンタイムで移行するためのフルマネージドサービスです。フルロード変更データキャプチャ(CDC)を組み合わせることで、ミッションクリティカルなアプリケーションの継続稼働を維持しながら移行を実現できます。

本記事では、金融機関のOracle移行医療機関のMySQL移行保険会社のSQL Server移行の実用的なパターンを通じて、効果的なデータベース移行アーキテクチャの実装方法を学習します。

資格取得で重要なトピック

DMSによるデータベース移行では、以下の3つのトピックが特に重要です。

フルロード+CDC移行パターン

フルロードでは既存データの完全コピーを実行し、CDC(変更データキャプチャ)では移行期間中の継続的な変更同期を実現します。この組み合わせによりゼロダウンタイム移行が可能になります。

フルロード+CDC移行パターンの時系列フロー

フルロード+CDC移行パターンの時系列フロー

🔍フルロード

フルロードとは、ソースデータベースの既存データを一括でターゲットデータベースに移行する処理です。テーブル全体のデータをコピーし、移行の初期段階で実行されます。

🔍カットオーバー

カットオーバーとは、アプリケーションの接続先をソースデータベースからターゲットデータベースに切り替える最終段階の処理です。この時点でアプリケーションは短時間停止し、新しいデータベースでの本番稼働が開始されます。

ベストプラクティス

CDC機能により、ソースデータベースの変更をリアルタイムでターゲットに同期できます。Oracle、MySQL、SQL Serverでは各エンジン固有のログ機構(アーカイブログ、バイナリログ、トランザクションログ)を活用し、データ整合性を保証します。

異種エンジン間移行

DMSは異種データベースエンジン間の移行をサポートし、Oracle→PostgreSQLSQL Server→Aurora MySQLなどの組み合わせで動作します。AWS Schema Conversion Tool(SCT)と組み合わせることで包括的な移行を実現できます。

AWS SCT + DMSによる異種エンジン間移行アーキテクチャ

AWS SCT + DMSによる異種エンジン間移行アーキテクチャ

SCTによるスキーマ変換

ストアドプロシージャ、トリガー、ビュー、インデックスなどのデータベースオブジェクトをターゲットエンジン形式に自動変換します。変換レポートで課題を事前特定できます。

DMSによるデータ移行

フルロード+CDCでデータを移行し、スキーマ変換と並行してデータ整合性を維持します。大容量テーブルの並列処理により移行時間を短縮できます。

アプリケーション対応

データベースエンジン変更に伴うSQL文法やドライバー変更に対応します。JDBC/ODBCドライバーの更新とアプリケーションテストが必要です。

判断基準

同種エンジン移行(MySQL→RDS MySQL)では DMS単体で十分ですが、異種エンジン移行(Oracle→PostgreSQL)では SCT + DMS の組み合わせが必要です。スキーマ複雑度と変換要件で判断します。

最小ダウンタイム移行戦略

ミッションクリティカルなアプリケーションでは、数分以内のダウンタイムでの移行が求められます。DMSの継続的レプリケーション機能と適切なカットオーバー戦略により実現できます。

最小ダウンタイム移行戦略

最小ダウンタイム移行戦略

ベストプラクティス

レプリケーションラグ監視により最適なカットオーバータイミングを判断します。ラグが1秒以内に収束した時点でアプリケーションを切り替えることで、データロスとダウンタイムを最小化できます。

実践問題で確認

ここまで学んだDMSデータベース移行アーキテクチャを、実践的な問題で確認しましょう。各問題は実際の業界シナリオに基づいており、適切な移行戦略の選択と実装能力を養います。

AWS認定データエンジニア - アソシエイト

練習問題

ある金融機関がオンプレミスの大規模なOracle RACデータベースからAmazon Aurora PostgreSQL互換エディションへの移行を計画しています。このデータベースはミッションクリティカルな取引処理システムをサポートしており、24時間365日の可用性が求められます。移行中にダウンタイムを最小限に抑えつつ、継続的なデータレプリケーションを確保する必要があります。DBAチームは、AWS Database Migration Service (AWS DMS)を使用してこのプロセスを実施することを検討しています。 AWS DMSを使用して継続的なレプリケーションを設定する際に、考慮すべき重要な要素は何ですか?

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練習問題

あるヘルスケア企業は、オンプレミスのMySQLデータベースからAmazon RDS for PostgreSQLに移行する必要があります。このMySQLデータベースには、患者の診療記録や診断データなどの重要な医療情報が含まれており、毎日更新されています。移行プロセス中、システムは24時間365日稼働し続ける必要があり、データの整合性を維持することが最も重要です。また、移行後もしばらくの間、両方のデータベースを同期させる必要があります。 データチームはAWS Database Migration Service(AWS DMS)を使用して移行を行うことを検討していますが、オンプレミスデータベースから継続的にデータを複製する際に特定の課題に直面しています。 この状況で最適なアプローチは何ですか?

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練習問題

ある保険会社は、レガシーの商用データベース(オンプレミスのMicrosoft SQL Server)からAWSにデータベースを移行する計画を立てています。このデータベースには、15年分の保険契約データが保存されており、複雑なストアドプロシージャ、トリガー、および外部キー制約が多数含まれています。会社のビジネス要件により、データベースはクラウドネイティブで運用コストの低いソリューションに移行する必要があります。移行プロジェクトには以下の要件があります: - 移行中のダウンタイムを最小限に抑える - SQL Serverの複雑なプロシージャとトリガーをターゲットデータベースの互換形式に変換する - データベースの30以上のテーブルと複雑なリレーションシップを維持する - 移行後のパフォーマンスを最適化する - データベースセキュリティとコンプライアンス要件を満たす この異種データベース移行シナリオで最適なアプローチと適切なAWSサービスの組み合わせは何ですか?(3つ選択)

まとめ

DMSによるデータベース移行アーキテクチャは、フルロード+CDC異種エンジン対応最小ダウンタイムの3つの要素で構成されます。これらの適切な組み合わせにより、ミッションクリティカルなシステムの安全で効率的な移行を実現できます。

既存データの完全コピー継続的変更同期組み合わせることで、ゼロダウンタイム移行を実現します。Oracle、MySQL、SQL Serverの各ログ機構(アーカイブログ、バイナリログ、トランザクションログ)を活用し、データ整合性を保証します。

AWS SCT + DMS組み合わせにより、Oracle→PostgreSQL、SQL Server→Aurora MySQLなどの異種エンジン間移行を実現します。ストアドプロシージャ、トリガー、複雑なスキーマの自動変換により、15年分のレガシーシステムも効率的に移行できます。

レプリケーションラグ監視より最適なカットオーバータイミングを判断し、数分以内ダウンタイムでミッションクリティカルシステムを移行できます。金融取引システム、医療システム、保険契約システムなど24時間365日稼働要件に対応します。

これらの実装パターンにより、金融機関のOracle移行医療機関のMySQL移行保険会社のSQL Server移行など、業界固有の要件とコンプライアンス基準に対応したデータベース移行を実現できます。実際の資格試験では、これらの移行戦略の使い分けリスク軽減を理解することが重要です。

理解度チェック

フルロードとCDCの組み合わせによるゼロダウンタイム移行を説明できるか?

SCT+DMSによる異種エンジン間移行のメリットと適用場面を理解しているか?

レプリケーションラグ監視による最適なカットオーバー戦略を説明できるか?

ミッションクリティカルシステムの移行リスクと軽減策を適切に判断できるか?

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