AWS DEA-C01 対策 DMSによるデータベース移行アーキテクチャ
AWS Database Migration Service(DMS)を使用したデータベース移行アーキテクチャの実装方法を解説。フルロード+CDC、異種エンジン間移行、最小ダウンタイム移行を実践的な問題を通じて理解します。
この記事のポイント
- 1DMSによるフルロード+CDC移行アーキテクチャを理解する
- 2異種データベースエンジン間の移行パターンを習得する
- 3金融・医療・小売業界での最小ダウンタイム移行実装を把握する
目次
DMSによるデータベース移行
AWS Database Migration Service(DMS)は、オンプレミスやAWS上のデータベースを最小ダウンタイムで移行するためのフルマネージドサービスです。フルロードと変更データキャプチャ(CDC)を組み合わせることで、ミッションクリティカルなアプリケーションの継続稼働を維持しながら移行を実現できます。
本記事では、金融機関のOracle移行、医療機関のMySQL移行、保険会社のSQL Server移行の実用的なパターンを通じて、効果的なデータベース移行アーキテクチャの実装方法を学習します。
資格取得で重要なトピック
DMSによるデータベース移行では、以下の3つのトピックが特に重要です。
フルロード+CDC移行パターン
フルロードでは既存データの完全コピーを実行し、CDC(変更データキャプチャ)では移行期間中の継続的な変更同期を実現します。この組み合わせによりゼロダウンタイム移行が可能になります。

フルロード+CDC移行パターンの時系列フロー
フルロードとは、ソースデータベースの既存データを一括でターゲットデータベースに移行する処理です。テーブル全体のデータをコピーし、移行の初期段階で実行されます。
カットオーバーとは、アプリケーションの接続先をソースデータベースからターゲットデータベースに切り替える最終段階の処理です。この時点でアプリケーションは短時間停止し、新しいデータベースでの本番稼働が開始されます。
CDC機能により、ソースデータベースの変更をリアルタイムでターゲットに同期できます。Oracle、MySQL、SQL Serverでは各エンジン固有のログ機構(アーカイブログ、バイナリログ、トランザクションログ)を活用し、データ整合性を保証します。
異種エンジン間移行
DMSは異種データベースエンジン間の移行をサポートし、Oracle→PostgreSQL、SQL Server→Aurora MySQLなどの組み合わせで動作します。AWS Schema Conversion Tool(SCT)と組み合わせることで包括的な移行を実現できます。

AWS SCT + DMSによる異種エンジン間移行アーキテクチャ
SCTによるスキーマ変換
ストアドプロシージャ、トリガー、ビュー、インデックスなどのデータベースオブジェクトをターゲットエンジン形式に自動変換します。変換レポートで課題を事前特定できます。
DMSによるデータ移行
フルロード+CDCでデータを移行し、スキーマ変換と並行してデータ整合性を維持します。大容量テーブルの並列処理により移行時間を短縮できます。
アプリケーション対応
データベースエンジン変更に伴うSQL文法やドライバー変更に対応します。JDBC/ODBCドライバーの更新とアプリケーションテストが必要です。
同種エンジン移行(MySQL→RDS MySQL)では DMS単体で十分ですが、異種エンジン移行(Oracle→PostgreSQL)では SCT + DMS の組み合わせが必要です。スキーマ複雑度と変換要件で判断します。
最小ダウンタイム移行戦略
ミッションクリティカルなアプリケーションでは、数分以内のダウンタイムでの移行が求められます。DMSの継続的レプリケーション機能と適切なカットオーバー戦略により実現できます。

最小ダウンタイム移行戦略
レプリケーションラグ監視により最適なカットオーバータイミングを判断します。ラグが1秒以内に収束した時点でアプリケーションを切り替えることで、データロスとダウンタイムを最小化できます。
実践問題で確認
ここまで学んだDMSデータベース移行アーキテクチャを、実践的な問題で確認しましょう。各問題は実際の業界シナリオに基づいており、適切な移行戦略の選択と実装能力を養います。
AWS認定データエンジニア - アソシエイト
練習問題
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練習問題
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練習問題
まとめ
DMSによるデータベース移行アーキテクチャは、フルロード+CDC、異種エンジン対応、最小ダウンタイムの3つの要素で構成されます。これらの適切な組み合わせにより、ミッションクリティカルなシステムの安全で効率的な移行を実現できます。
既存データの
AWS SCT + DMSの
レプリケーションラグ監視に
これらの実装パターンにより、金融機関のOracle移行、医療機関のMySQL移行、保険会社のSQL Server移行など、業界固有の要件とコンプライアンス基準に対応したデータベース移行を実現できます。実際の資格試験では、これらの移行戦略の使い分けとリスク軽減を理解することが重要です。
理解度チェック
フルロードとCDCの組み合わせによるゼロダウンタイム移行を説明できるか?
SCT+DMSによる異種エンジン間移行のメリットと適用場面を理解しているか?
レプリケーションラグ監視による最適なカットオーバー戦略を説明できるか?
ミッションクリティカルシステムの移行リスクと軽減策を適切に判断できるか?