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AWS設定比較
約18分
上級
7/10
2025年6月28日

AWS SCS-C02 対策 ECRコンテナイメージスキャン 基本スキャン vs 拡張スキャン(Inspector)

AWS ECRの基本スキャンと拡張スキャン(Inspector)の違いを理解し、CI/CDパイプラインから継続的監視まで、適切なスキャン手法の選択基準を把握する。実践的な問題を通じて使い分けのポイントを解説します。

この記事のポイント

  • 1
    ECR基本スキャンと拡張スキャン(Inspector)の決定的な違いを理解する
  • 2
    CI/CDパイプラインでの早期検出と継続的監視の使い分けを把握する
  • 3
    実装時の重要な考慮事項と制限事項を実践問題で確認する

目次

ECRコンテナイメージスキャンとは

Amazon ECRは、コンテナイメージの脆弱性スキャン機能を提供し、CVE(共通脆弱性識別子)データベースに基づいてセキュリティ問題を検出します。

ECRには基本スキャン拡張スキャン(Inspector)の2つのオプションがあり、それぞれ異なるスキャンタイミングと機能を提供します。資格試験では、これらの違いと適切な選択基準の理解が重要です。

資格試験での重要トピック

ECRコンテナイメージスキャンに関連した資格試験で重要なトピックを解説します。

基本スキャン vs 拡張スキャン(Inspector)の決定的な違い

基本スキャンと拡張スキャンの最も重要な違いは、スキャンタイミング管理スコープにあります。この比較表は、両方式の特性と使用シナリオの違いを示しています。

ECR基本スキャン

スキャンタイミング
プッシュ時のみ
管理スコープ
リポジトリ単位
CVEデータベース
基本的なCVEのみ
設定の複雑さ
シンプル
統合ダッシュボード
ECRコンソールのみ
適用場面
CI/CD早期検出

ECR拡張スキャン (Inspector)

スキャンタイミング
継続的スキャン
管理スコープ
組織全体対応
CVEデータベース
最新CVE + 高度な検出
設定の複雑さ
高機能・複雑
統合ダッシュボード
Security Hub統合
適用場面
規制要件・継続監視

上記の比較表に示すように、基本スキャンプッシュ時のスキャンに特化しています。このモードでは、イメージがECRリポジトリにプッシュされた時点で自動的にスキャンが実行されます。CI/CDパイプライン内での早期脆弱性検出に最適で、設定がシンプルで運用負荷が軽いという特徴があります。

一方、拡張スキャン(Inspector)継続的なスキャンを提供します。新しいCVEが発見された際に既存イメージを再スキャンし、AWS Organizations全体での一元管理が可能です。Security Hubとの統合により一元的なダッシュボードでスキャン結果を表示でき、規制要件やコンプライアンス監査に対応できます。

比較表で確認できるように、両方式ともCVEデータベースに基づく脆弱性検出を提供しますが、拡張スキャンではより高度な検出機能組織レベルの管理機能が利用できます。選択の基準は、スキャンタイミングの要件管理スコープの必要性によって決まります。

用途別の実装パターン

異なる用途や要件に対して、適切なスキャン方式を実装する必要があります。この図は主要な実装パターンを示しています。

用途別のECRスキャン実装パターン

用途別のECRスキャン実装パターン

図の上部に示すCI/CDパイプライン統合では、基本スキャンが最適です。プッシュ時の即座のスキャンにより、ビルドプロセス内で脆弱性を早期検出し、デプロイ前にゲート機能として機能します。設定が簡潔で、開発チームの負担を最小化できます。

図の中段の規制要件対応・コンプライアンス監査では、拡張スキャン(Inspector)が必須です。継続的なスキャンにより新しいCVEに対する継続的な監視が可能で、Security Hubでの結果統合により包括的な脆弱性管理を実現します。

図の下段のマルチアカウント環境でも拡張スキャンが推奨されます。委任管理者の設定により、組織全体でのスキャンポリシーを統一でき、統一ダッシュボードで複数アカウントにわたる一元的な監視を構築できます。

図の右側に示すように、すべてのパターンでIAMによるアクセス制御CloudTrailによる監査証跡が共通基盤となります。これにより、スキャン結果へのアクセスと操作履歴を適切に管理できます。

実践問題で確認

ここまで学んだ2つの核心パターンを、実践的な問題で確認しましょう。各問題は実際の企業シナリオに基づいており、適切なスキャン方式の選択能力を評価します。

AWS認定デベロッパー - アソシエイト

練習問題

ある企業はAmazon ECRをイメージレジストリとして使用し、Amazon EKSをコンピューティングとして使用し、CI/CDワークフローをオーケストレーションするAWS CodePipelineパイプラインを使用するコンテナ化されたアプリケーションを開発しています。 動的アプリケーションセキュリティテストはEKSクラスター内の開発ネームスペースに新しいイメージがデプロイされた後、パイプラインの最終段階で実行されます。開発者はこのデプロイ前に、CI/CDパイプラインの早い段階でコンテナイメージを分析するステージを設置する必要があります。 これらの要件を最も運用効率良く満たすソリューションはどれですか?

AWS認定セキュリティ - 専門知識

練習問題

あるグローバル企業が、マイクロサービスアーキテクチャを使用したeコマースプラットフォームをAWS上に展開しています。このプラットフォームはAmazon Elastic Container Service (ECS) で実行され、コンテナイメージはAmazon Elastic Container Registry (ECR) に保存されています。セキュリティチームは、コンテナイメージを継続的にスキャンしてセキュリティ上の脆弱性を検出するソリューションを実装したいと考えています。また、全AWSアカウントに渡って脆弱性のスキャン結果を一元的に管理し、セキュリティに関する包括的なダッシュボードでこれらの結果を確認できるようにする必要があります。 最小限の管理オーバーヘッドでこれらの要件を満たすソリューションはどれですか?

AWS認定セキュリティ - 専門知識

練習問題

あるソフトウェア開発企業は、Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS) を使用してマイクロサービスベースのアプリケーションをデプロイしています。コンテナイメージは Amazon Elastic Container Registry (Amazon ECR) に保存されています。セキュリティチームは、最近のコンプライアンス監査に基づいて、次の要件を実装する必要があります: 1. すべてのコンテナイメージをCVE(共通脆弱性識別子)に対して自動的かつ継続的にスキャンする 2. 重大度の高い脆弱性が検出された場合、デプロイをブロックする 3. すべての脆弱性検出結果を中央ダッシュボードに統合する 4. 必要に応じて特定のリポジトリを除外できるようにする 5. 運用チームの負担を最小限に抑える これらの要件を満たすための最適なソリューションはどれですか?

まとめ

ECRコンテナイメージスキャンは、CI/CDパイプライン統合と継続的監視要件に応じて適切な方式を選択することが重要です。基本スキャンと拡張スキャンの適切な選択により、様々な運用要件とコンプライアンス要件に対応できます。

プッシュ時の即座のスキャンでCI/CDパイプライン内での早期脆弱性検出を実現。設定がシンプルで運用負荷が軽く、デプロイ前のゲート機能として最適。開発チームの負担を最小化しつつセキュリティを確保します。

継続的なスキャンで新しいCVEに対する自動再スキャンを実行。AWS Organizations全体での一元管理とSecurity Hub統合により、規制要件やコンプライアンス監査に対応できる包括的なソリューションを提供します。

これらの機能を適切に組み合わせることで、開発効率を維持しつつ、規制要件を満たす包括的なコンテナセキュリティ戦略を実装できます。

理解度チェック

基本スキャンはプッシュ時のみ、拡張スキャンは継続的スキャンという決定的な違いと、それぞれの適用場面を説明できるか?

CI/CDパイプライン(基本スキャン推奨)、規制要件対応(拡張スキャン必須)、マルチアカウント環境(拡張スキャン推奨)など、用途別の適切なスキャン方式選択を説明できるか?

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