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AWS実践
約21分
上級
7/10
2025年8月4日

AWS SCS-C02 対策 効果的なログ収集アーキテクチャ設計

コンテナ・マイクロサービス、マルチアカウント環境、サーバーレス環境における最適なログ収集アーキテクチャパターンを解説。CloudWatch Agent + Firehose、Security Lake、段階的保存の3つの核心パターンを実践問題で理解します。

この記事のポイント

  • 1
    コンテナ環境での効率的なログ収集パターンを理解する
  • 2
    マルチアカウント環境での統一的なログ管理手法を習得する
  • 3
    要件に応じたログ収集アーキテクチャの使い分けを把握する

目次

AWS ログ収集アーキテクチャの全体像

効果的なログ収集アーキテクチャは、環境特性要件に応じて最適なサービス組み合わせを選択することが重要です。コンテナ環境ではCloudWatch Agent + Firehose、マルチアカウント環境ではSecurity Lake、サーバーレス環境では段階的保存というように、それぞれ異なるアプローチが最適です。

本記事では、SCS-C02資格試験で重要な3つのログ収集パターンを実践問題とともに解説し、短時間で正解を導ける知識体系を構築します。

3つの主要アーキテクチャパターン

AWS環境でのログ収集には、環境特性に応じて最適化された3つの主要パターンがあります。

コンテナ・マイクロサービス向けパターン

ECS/Fargateなどのコンテナ環境では、CloudWatch Agent + Kinesis Data Firehoseの組み合わせが最適です。

コンテナ環境でのログ収集フロー

コンテナ環境でのログ収集フロー

図に示すように、各コンテナに組み込まれたCloudWatch Agentがアプリケーションログとシステムログを収集し、CloudWatch Logsに送信します。その後、Kinesis Data Firehoseが自動的にログをS3に転送し、長期保存と分析基盤を構築します。

リアルタイム分析とアラート

CloudWatch Logsでリアルタイム監視とMetric Filtersによる即座なアラート生成が可能です。

長期保存とコンプライアンス

S3への自動転送により5年間の長期保存要件に対応し、規制コンプライアンスを満たします。

複雑なクエリ実行

S3上のログデータに対してAthenaでSQLクエリを実行し、詳細な分析が可能です。

自動スケーリング

コンテナの増減に応じてログ収集も自動的にスケールし、運用負荷を最小化します。

ベストプラクティス

コンテナ環境では、CloudWatch Agentをコンテナイメージに組み込み、Kinesis Data FirehoseでS3への自動転送を設定することで、リアルタイム監視と長期保存の両方を効率的に実現できます。

マルチアカウント・エンタープライズ向けパターン

複数のAWSアカウントや多様なログソースがある企業環境では、Amazon Security Lakeが最適なソリューションです。

Security Lakeによるマルチアカウント統合ログ管理

Security Lakeによるマルチアカウント統合ログ管理

図の左側の複数アカウント、中央のオンプレミスシステム、右側のサードパーティツールからのログが、Security Lakeに集約され、OCSF形式で自動的に標準化されます。

AWS Organizations統合

委任管理者機能により組織全体のログを一元管理し、新規アカウントも自動的に対象に含めます。

多様なソース対応

CloudTrail、VPCフローログ、WAF、オンプレミス、サードパーティツールからのログを統合収集します。

OCSF形式での標準化

Open Cybersecurity Schema Frameworkによる統一された形式でログを自動変換します。

効率的な分析基盤

Athenaでの高速SQLクエリ実行とQuickSightでの可視化により包括的な分析が可能です。

判断基準

マルチアカウント環境ではSecurity Lakeの委任管理者機能を活用することで、多様なログソースを効率的に統合し、標準化された分析基盤を構築できます。

サーバーレス・軽量システム向けパターン

API Gateway、Lambda、DynamoDBなどのサーバーレスアーキテクチャでは、CloudWatch Logs + S3段階的保存パターンが最適です。

サーバーレス環境での段階的ログ管理

サーバーレス環境での段階的ログ管理

図に示すように、API Gatewayのアクセスログ、Lambdaの実行ログ、DynamoDBのアクセスログがCloudWatch Logsに集約され、一定期間後にS3に移行してコストを最適化します。

コスト最適化

頻繁にアクセスするログはCloudWatch Logs、長期保存はS3で段階的にコスト削減します。

シンプルな運用

各サービスのネイティブ機能を活用し、複雑な設定を避けて運用負荷を最小化します。

リアルタイムアラート

CloudWatch AlarmsとMetric Filtersにより即座に異常を検出できます。

柔軟な分析

CloudWatch Insights(短期)とAthena(長期)で用途に応じた分析が可能です。

ベストプラクティス

サーバーレス環境ではCloudWatch Logsでリアルタイム監視を行い、一定期間後のS3移行により長期保存コストを最適化する段階的アプローチが効果的です。

実践問題で確認

ここまで学んだ3つのログ収集パターンを、実践的な問題で確認しましょう。各問題は実際の運用シナリオに基づいており、適切なアーキテクチャ選択の能力を養います。

AWS認定セキュリティ - 専門知識

練習問題

ある企業が、Amazon ECSとFargateを使用してコンテナ化されたマイクロサービスアプリケーションを実行しています。 運用チームは、トラブルシューティングとモニタリングのために、すべてのコンテナからアプリケーションログとシステムログを中央集約して収集したいと考えています。 このコンテナログ収集要件を満たすために実装すべき解決策はどれですか?(2つ選択してください)

AWS認定セキュリティ - 専門知識

練習問題

多国籍企業がAWS Organizations内の複数のAWSアカウントにまたがるセキュリティログとオペレーションログを統合的に分析するソリューションを構築する必要があります。組織では、AWS CloudTrail、AWS WAF、VPCフローログ、オンプレミスのファイアウォールからのログなど、多様なソースからのログデータを収集し、標準化された形式で分析したいと考えています。また、ソリューションはこれからの新しいアカウントや追加されるサービスにも容易に対応できることが必要です。 最も効率的かつスケーラブルなログ収集・分析ソリューションはどれですか?

AWS認定セキュリティ - 専門知識

練習問題

あるeコマース企業は、最近サーバーレスアーキテクチャに移行しました。このアーキテクチャは、Amazon API Gateway、AWS Lambda、Amazon DynamoDB、Amazon S3で構成されています。セキュリティチームは、セキュリティイベントの検出と監査のために、すべての環境とアプリケーションコンポーネントからのログを一元的に収集し、分析する包括的なロギングソリューションを実装する必要があります。 特に、セキュリティチームは以下の要件を満たすソリューションを必要としています: - APIリクエストとレスポンスの詳細なログ記録 - Lambda関数のランタイムエラーと例外の追跡 - DynamoDBのデータアクセスパターンの監視 - すべてのAWSサービスAPIコールの監視 - 長期間のログ保持と分析のためのコスト効率の良いストレージ - 異常なアクセスパターンに対するリアルタイムアラート この企業のセキュリティチームが上記の要件を満たすために実装すべき最も適切なロギングソリューションはどれですか?

まとめ

効果的なログ収集アーキテクチャは、環境特性に応じた最適なサービス選択が成功の鍵となります。コンテナ環境、マルチアカウント環境、サーバーレス環境それぞれに最適化されたパターンを理解することで、資格試験でも実務でも適切な判断ができるようになります。

CloudWatch Agent + Kinesis Data Firehoseパターンにより、ECS/Fargateコンテナからのログを効率的に収集できます。CloudWatch Agentをコンテナイメージに組み込み、Firehoseで自動的にS3に転送することで、リアルタイム監視と5年間の長期保存両立します。Athenaでの複雑なクエリ実行により、規制要件への対応も可能です。

Amazon Security Lake委任管理者機能により、AWS Organizations全体のログを一元管理できます。CloudTrail、VPCフローログ、WAF、オンプレミス、サードパーティツールからのログをOCSF形式で自動標準化し、新規アカウントも自動的に対象に含めます。Athenaでの統一された分析基盤により、包括的なセキュリティ監視を実現します。

API Gateway、Lambda、DynamoDB、S3で構成されるサーバーレスアーキテクチャでは、CloudWatch Logs + 段階的S3移行パターンが最適です。CloudTrailAPIコール監視、CloudWatch Logsリアルタイム監視とアラート、一定期間後のS3移行長期保存コストを最適化し、Athena詳細分析を実現します。

これらの実装パターンにより、環境特性に応じた最適なログ収集を実現し、スケーラブルで効率的な監視環境を構築できます。実際の運用では、これらのパターンの使い分け統合手法を理解することが重要です。

理解度チェック

コンテナ環境でCloudWatch Agent + Firehoseパターンを選ぶ理由を説明できるか?

Security Lakeの委任管理者機能とOCSF標準化のメリットを理解しているか?

サーバーレス環境での段階的保存によるコスト最適化手法を説明できるか?

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