AWS SCS-C02 対策 効果的なログ収集アーキテクチャ設計
コンテナ・マイクロサービス、マルチアカウント環境、サーバーレス環境における最適なログ収集アーキテクチャパターンを解説。CloudWatch Agent + Firehose、Security Lake、段階的保存の3つの核心パターンを実践問題で理解します。
この記事のポイント
- 1コンテナ環境での効率的なログ収集パターンを理解する
- 2マルチアカウント環境での統一的なログ管理手法を習得する
- 3要件に応じたログ収集アーキテクチャの使い分けを把握する
目次
AWS ログ収集アーキテクチャの全体像
効果的なログ収集アーキテクチャは、環境特性と要件に応じて最適なサービス組み合わせを選択することが重要です。コンテナ環境ではCloudWatch Agent + Firehose、マルチアカウント環境ではSecurity Lake、サーバーレス環境では段階的保存というように、それぞれ異なるアプローチが最適です。
本記事では、SCS-C02資格試験で重要な3つのログ収集パターンを実践問題とともに解説し、短時間で正解を導ける知識体系を構築します。
3つの主要アーキテクチャパターン
AWS環境でのログ収集には、環境特性に応じて最適化された3つの主要パターンがあります。
コンテナ・マイクロサービス向けパターン
ECS/Fargateなどのコンテナ環境では、CloudWatch Agent + Kinesis Data Firehoseの組み合わせが最適です。

コンテナ環境でのログ収集フロー
図に示すように、各コンテナに組み込まれたCloudWatch Agentがアプリケーションログとシステムログを収集し、CloudWatch Logsに送信します。その後、Kinesis Data Firehoseが自動的にログをS3に転送し、長期保存と分析基盤を構築します。
リアルタイム分析とアラート
CloudWatch Logsでリアルタイム監視とMetric Filtersによる即座なアラート生成が可能です。
長期保存とコンプライアンス
S3への自動転送により5年間の長期保存要件に対応し、規制コンプライアンスを満たします。
複雑なクエリ実行
S3上のログデータに対してAthenaでSQLクエリを実行し、詳細な分析が可能です。
自動スケーリング
コンテナの増減に応じてログ収集も自動的にスケールし、運用負荷を最小化します。
コンテナ環境では、CloudWatch Agentをコンテナイメージに組み込み、Kinesis Data FirehoseでS3への自動転送を設定することで、リアルタイム監視と長期保存の両方を効率的に実現できます。
マルチアカウント・エンタープライズ向けパターン
複数のAWSアカウントや多様なログソースがある企業環境では、Amazon Security Lakeが最適なソリューションです。

Security Lakeによるマルチアカウント統合ログ管理
図の左側の複数アカウント、中央のオンプレミスシステム、右側のサードパーティツールからのログが、Security Lakeに集約され、OCSF形式で自動的に標準化されます。
AWS Organizations統合
委任管理者機能により組織全体のログを一元管理し、新規アカウントも自動的に対象に含めます。
多様なソース対応
CloudTrail、VPCフローログ、WAF、オンプレミス、サードパーティツールからのログを統合収集します。
OCSF形式での標準化
Open Cybersecurity Schema Frameworkによる統一された形式でログを自動変換します。
効率的な分析基盤
Athenaでの高速SQLクエリ実行とQuickSightでの可視化により包括的な分析が可能です。
マルチアカウント環境ではSecurity Lakeの委任管理者機能を活用することで、多様なログソースを効率的に統合し、標準化された分析基盤を構築できます。
サーバーレス・軽量システム向けパターン
API Gateway、Lambda、DynamoDBなどのサーバーレスアーキテクチャでは、CloudWatch Logs + S3段階的保存パターンが最適です。

サーバーレス環境での段階的ログ管理
図に示すように、API Gatewayのアクセスログ、Lambdaの実行ログ、DynamoDBのアクセスログがCloudWatch Logsに集約され、一定期間後にS3に移行してコストを最適化します。
コスト最適化
頻繁にアクセスするログはCloudWatch Logs、長期保存はS3で段階的にコスト削減します。
シンプルな運用
各サービスのネイティブ機能を活用し、複雑な設定を避けて運用負荷を最小化します。
リアルタイムアラート
CloudWatch AlarmsとMetric Filtersにより即座に異常を検出できます。
柔軟な分析
CloudWatch Insights(短期)とAthena(長期)で用途に応じた分析が可能です。
サーバーレス環境ではCloudWatch Logsでリアルタイム監視を行い、一定期間後のS3移行により長期保存コストを最適化する段階的アプローチが効果的です。
実践問題で確認
ここまで学んだ3つのログ収集パターンを、実践的な問題で確認しましょう。各問題は実際の運用シナリオに基づいており、適切なアーキテクチャ選択の能力を養います。
AWS認定セキュリティ - 専門知識
練習問題
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練習問題
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まとめ
効果的なログ収集アーキテクチャは、環境特性に応じた最適なサービス選択が成功の鍵となります。コンテナ環境、マルチアカウント環境、サーバーレス環境それぞれに最適化されたパターンを理解することで、資格試験でも実務でも適切な判断ができるようになります。
CloudWatch Agent + Kinesis Data Firehoseパターンに
Amazon Security Lakeの
API Gateway、
これらの実装パターンにより、環境特性に応じた最適なログ収集を実現し、スケーラブルで効率的な監視環境を構築できます。実際の運用では、これらのパターンの使い分けと統合手法を理解することが重要です。
理解度チェック
コンテナ環境でCloudWatch Agent + Firehoseパターンを選ぶ理由を説明できるか?
Security Lakeの委任管理者機能とOCSF標準化のメリットを理解しているか?
サーバーレス環境での段階的保存によるコスト最適化手法を説明できるか?