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AWSベストプラクティス
約23分
専門
9/10
2025年9月11日

AWS ANS-C01 対策 マルチリージョンハイブリッドDNS構成の実装

Route 53 Resolverを活用したマルチリージョンハイブリッドDNS構成を解説。リージョン固有サブドメイン管理、双方向DNS解決、効率的な名前解決の実装方法を実践問題で理解します。

この記事のポイント

  • 1
    Route 53 Resolverエンドポイントによる双方向DNS解決を理解する
  • 2
    リージョン固有サブドメイン管理とトラフィック最適化を習得する
  • 3
    一元管理されたハイブリッドDNS構成の実装方法を理解する

目次

マルチリージョンハイブリッドDNS

マルチリージョンハイブリッドDNSは、複数のAWSリージョンとオンプレミス環境間での一貫したDNS名前解決を実現するアーキテクチャです。Route 53 Resolverを活用することで、リージョン固有の管理双方向DNS解決を効率的に実装できます。

この構成により、グローバル展開企業は各リージョンの要件を満たしながら、運用負荷を最小化し、ネットワークトラフィックを最適化できます。

Route 53 Resolverエンドポイント

Route 53 Resolverでは、インバウンドエンドポイントアウトバウンドエンドポイントの2種類を使用してハイブリッドDNS解決を実現します。適切な組み合わせにより、全方向のDNS解決が可能になります。

インバウンドエンドポイント

オンプレミスからAWSのプライベートホストゾーンへのDNSクエリを受信・処理。オンプレミスDNSサーバーの条件付き転送先として機能します。

アウトバウンドエンドポイント

AWSからオンプレミスDNSサーバーへのDNSクエリを転送。Resolverルールと組み合わせて特定ドメインの条件付き転送を実現します。

リージョン固有サブドメイン管理

各リージョンに専用のプライベートホストゾーンを作成することで、リージョン固有のサブドメイン(dev.example.com、prod.example.com)を効率的に管理できます。これによりリージョン間トラフィック最小化も実現します。

ベストプラクティス

リージョン固有管理: 各リージョンにそれぞれのプライベートホストゾーンを作成し、リージョン内でのDNS解決を優先することで、不要なリージョン間通信を削減できます。

DNS構成パターン

マルチリージョンハイブリッド環境では、双方向DNS解決一元管理の両立が重要です。適切なアーキテクチャパターンの選択により、運用効率と性能を両立できます。

双方向DNS解決の実装

ハイブリッド環境では、オンプレミス→AWSAWS→オンプレミスの両方向でDNS解決が必要です。インバウンド・アウトバウンド両エンドポイントの設置により実現できます。

オンプレミス→AWS DNS解決

オンプレミスDNSサーバーがAWSリソースの名前解決を行う際の流れです。条件付き転送ルールによりサブドメイン(dev.example.com)のクエリがインバウンドエンドポイントに転送され、プライベートホストゾーンで解決されます。

オンプレミス→AWS DNS解決フロー

オンプレミス→AWS DNS解決フロー

🔍条件付き転送ルール

特定のドメインまたはサブドメインに対するDNSクエリを指定されたDNSサーバーに転送するルール。Route 53 Resolverルールでは、example.comドメインをオンプレミスDNSサーバーに転送し、オンプレミス側では dev.example.com、prod.example.com を各リージョンのインバウンドエンドポイントに転送することで双方向DNS解決を実現します。

AWS→オンプレミス DNS解決

AWS EC2インスタンスがオンプレミスリソースの名前解決を行う際の流れです。Resolverルールによりオンプレミスドメイン(example.com)のクエリがアウトバウンドエンドポイント経由でオンプレミスDNSサーバーに転送されます。

AWS→オンプレミス DNS解決フロー

AWS→オンプレミス DNS解決フロー

AWS→AWS リージョン間DNS解決

異なるAWSリージョン間でのDNS解決パターンです。EU-West-1からUS-East-1のリソースを解決する際、アウトバウンドエンドポイントからインバウンドエンドポイントへの直接的なリージョン間通信により効率的な名前解決を実現します。

AWS→AWS リージョン間DNS解決フロー

AWS→AWS リージョン間DNS解決フロー

判断基準

マネージドサービス vs 自前DNS: EC2ベースのBINDサーバーと比較して、Route 53 Resolverは自動スケーリング高可用性メンテナンスフリーという利点があります。運用負荷を重視する場合は必須の選択です。

実践問題で確認

ここまで学んだマルチリージョンハイブリッドDNS構成の知識を、実際の企業環境で発生する複雑なDNS課題を通じて確認しましょう。各問題は実践的なシナリオに基づいており、適切なDNSアーキテクチャの設計能力を養います。

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練習問題

ある企業がAWS環境とオンプレミス環境間のハイブリッドDNSアーキテクチャを実装しています。企業には次の要件があります: 1. example.comドメインは現在オンプレミスのDNSサーバーで管理されており、これを引き続き使用する 2. us-east-1リージョンに特化したdev.example.comサブドメインはAWS上で管理する 3. eu-west-1リージョンに特化したprod.example.comサブドメインもAWS上で管理する 4. オンプレミスのシステムからdev.example.comとprod.example.comのリソースを名前解決できる 5. AWS上のリソースからオンプレミスのexample.comリソースを名前解決できる 6. リージョン間のトラフィックを最小限に抑える 企業はAWS環境内に複数のVPCを持ち、Transit Gatewayを使用して接続しています。また、AWS Direct Connectを介してオンプレミス環境に接続しています。 この要件を満たすために、ネットワークエンジニアはどのようなDNS構成を実装すべきですか?

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練習問題

金融サービス企業がグローバル展開に向けてマルチリージョンのAWS環境を構築しています。この企業は複数のリージョンにまたがる高可用性のデータ分析システムを運用しており、オンプレミスデータセンターとAWS間での双方向のDNS名前解決が必要です。現在、企業は各VPC内に2台のAmazon EC2インスタンスをDNSサーバーとして配置しており、これらはAmazon RDSインスタンス、Amazon S3バケット、およびAWS Direct Connect経由でアクセス可能なオンプレミスデータストアの名前解決を担当しています。データ分析システムの拡張に伴い、DNSクエリの処理能力不足によるパフォーマンス低下が発生するようになりました。また、リージョン間でのDNS名前解決も課題となっています。 ネットワークエンジニアは、どのようなアーキテクチャ変更を実施すべきでしょうか?

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練習問題

あるグローバル金融機関が複数のVPCとオンプレミスデータセンターを持つハイブリッド環境を運用しています。この環境では、AWS Direct Connectを介してオンプレミスネットワークと複数のAWSリージョンが接続されています。各環境では異なるDNSサブドメインを使用しており、オンプレミスには finance.internal、AWSリージョンAには region-a.aws.internal、AWSリージョンBには region-b.aws.internal があります。 現在、VPCリソースからオンプレミスのホスト名を使用してアクセスしようとすると失敗し、同様にオンプレミスリソースからAWSリージョンのリソースにホスト名でアクセスしようとすると失敗します。ネットワークエンジニアは、すべての環境間で相互のDNS名前解決を可能にする、一元管理された効率的なDNS構成を実装する必要があります。 この要件を満たすためにネットワークエンジニアが行うべき方法はどれですか?

まとめ

マルチリージョンハイブリッドDNS構成は、Route 53 Resolverの活用により、双方向DNS解決リージョン固有管理一元管理を同時に実現できます。インバウンド・アウトバウンド両エンドポイントの適切な配置と、条件付き転送の設定により、企業のグローバル展開要件を満たす効率的なDNSアーキテクチャを構築できます。

インバウンドエンドポイント(オンプレミス→AWS)とアウトバウンドエンドポイント(AWS→オンプレミス)の組み合わせにより、完全な双方向DNS解決を実現。条件付き転送設定で効率的なハイブリッドDNS構成を構築します。

各リージョンに専用プライベートホストゾーン作成し、リージョン固有サブドメインを管理。リージョン間トラフィック最小化実現しながら、AWS RAMよるResolverルール共有で一元管理も実現します。

この構成により、グローバル企業は各リージョンの要件を満たしながらDNS運用負荷を最小化し、高可用性スケーラビリティを実現できます。マネージドサービスの活用が、ハイブリッドDNS環境での成功の鍵となります。

理解度チェック

インバウンド・アウトバウンドエンドポイントの役割と設定方法を説明できるか?

リージョン固有サブドメイン管理とトラフィック最適化の実装方法を理解しているか?

AWS RAMを活用したResolverルール共有による一元管理の利点を説明できるか?

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