AWS ANS-C01 対策 AWS Resource Access Manager (RAM) を活用した一括管理アーキテクチャ
AWS Resource Access Manager (RAM)による複数アカウント間でのリソース一括管理を解説。プレフィックスリスト共有、VPCサブネット共有、マルチアカウント環境での中央集権管理と分散デプロイの両立を実践問題で理解します。
この記事のポイント
- 1AWS RAMによるプレフィックスリスト共有でセキュリティグループを一元管理する方法を理解する
- 2VPCサブネット共有による中央集権ネットワーク管理と分散デプロイの両立を把握する
- 3マルチアカウント環境での運用負荷軽減と標準化実現のベストプラクティスを習得する
目次
AWS RAMによる一括管理
AWS Resource Access Manager (RAM)は、複数のAWSアカウント間で特定のリソースを安全に共有できるサービスです。マルチアカウント環境において、一元管理と分散デプロイを両立させる重要な機能を提供します。
RAMの核心は、リソースの所有権を維持しながら使用権限を他のアカウントに付与することです。これにより、運用負荷を削減しつつ、組織全体での標準化と一貫性を実現できます。

AWS RAMによるマルチアカウントリソース共有アーキテクチャ
この図は、AWS RAMによるマルチアカウント環境での6段階のリソース共有プロセスを示しています。以下の手順により、中央集権的なセキュリティ管理と各チームの自律的なデプロイが両立します。
プレフィックスリスト共有により、数百のセキュリティグループを個別に更新することなく、中央での一括変更が可能になります。これは従来の手動管理と比べて運用負荷を大幅に削減します。
VPCサブネット共有による中央集権管理
VPCサブネット共有は、上記のプレフィックスリスト共有と組み合わせることで、ネットワークインフラの完全な一元管理を実現します。Network AccountがVPC、サブネット、IGW、NAT Gatewayを所有・管理し、Application Accountsは共有されたサブネット内にEC2、RDS、ELBを独立してデプロイできます。
ネットワーク一元管理
セキュリティチームがVPC、サブネット、ルートテーブル、NACLを統一管理し、一貫したセキュリティポリシーを適用できます。
各チームの自律性維持
アプリケーションチームは共有サブネット内で独立してEC2インスタンス、RDS、Lambda等のリソースをデプロイできます。
運用負荷削減
各チームが個別にVPCを管理する必要がなく、ネットワーク設定の標準化により運用複雑性を大幅に削減できます。
コスト最適化
NAT Gateway、VPC Endpoints等の共通ネットワークコンポーネントを複数チーム間で共有し、コストを削減できます。
金融企業など厳格なセキュリティ要件がある環境では、セキュリティチームがネットワーク基盤を管理し、アプリケーションチームがビジネスロジックに集中する体制がベストプラクティスです。
実践問題で確認
ここまで学んだAWS RAMによる一括管理を、実践的な問題で確認しましょう。各問題は実際の企業環境で発生する運用課題に基づいており、適切なRAM活用パターンを選択する能力を養います。
AWS認定高度なネットワーキング - 専門知識
練習問題
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練習問題
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まとめ
AWS RAMによる一括管理は、マルチアカウント環境において中央集権管理と分散デプロイを両立させる重要な機能です。プレフィックスリスト共有によるセキュリティ管理、VPCサブネット共有によるネットワーク基盤管理により、組織全体での標準化と運用効率向上を実現できます。
AWS RAMで
セキュリティアカウントが
AWS Organizations環境では、
これらの実装パターンにより、複数アカウント環境での手動管理の課題を解決し、スケーラブルで監査可能な管理体制を構築できます。実際の資格試験では、RAMの適用場面と他サービスとの組み合わせを理解することが重要です。
理解度チェック
プレフィックスリスト共有による一元管理の仕組みとメリットを説明できるか?
VPCサブネット共有による中央集権管理と分散デプロイの両立方法を理解しているか?
AWS OrganizationsとRAMの統合による組織全体の標準化実現方法を説明できるか?