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AWSベストプラクティス
約22分
上級+
8/10
2025年9月2日

AWS ANS-C01 対策 Transit Gateway でのネットワーク監視 - フローログ活用によるセキュリティ監視

Transit Gatewayでのネットワーク監視手法を解説。VPC Flow Logsとの組み合わせによる包括的なトラフィック分析、CloudWatch Logs Insightsでの可視化、コンプライアンス要件を満たす監査記録の実装方法を実践問題で理解します。

この記事のポイント

  • 1
    Transit Gatewayを中心とした一元的ネットワーク監視アーキテクチャを理解する
  • 2
    VPC Flow Logsとの組み合わせによる包括的トラフィック分析手法を習得する
  • 3
    コンプライアンス要件を満たす監査記録とリアルタイム監視の実装方法を把握する

目次

Transit Gatewayを利用したネットワーク監視

Transit Gatewayは複数VPCの中央ハブとして機能し、すべてのVPC間トラフィックが単一制御ポイントを通過するため、一元的なネットワーク監視を実現する最適なポジションに位置します。

特に金融機関や製造業では、コンプライアンス要件を満たす包括的な監査記録と、リアルタイム異常検出が同時に求められます。

Transit Gateway 中心のネットワーク監視アーキテクチャ

Transit Gateway 中心のネットワーク監視アーキテクチャ

判断基準

監視対象の選定: VPC Flow Logs は詳細なトラフィック情報を提供し、Transit Gateway Network Manager はトポロジとルート変更をリアルタイム監視します。コンプライアンス重視なら VPC Flow Logs運用監視重視なら Network Manager を中心とした設計が効果的です。

フローログ基盤の構築

Transit Gatewayでの包括的ネットワーク監視は、VPC Flow Logsを中核とした多層監視アーキテクチャで実現します。単一のログソースではなく、複数の観点からトラフィックを捕捉することが重要です。

一元的なログ収集

すべてのVPCでVPC Flow Logsを有効化し、CloudWatch Logsに集約することで、VPC間トラフィックの詳細情報(送信元/宛先IP、プロトコル、ポート、バイト数、アクション)を一元管理できます。

1
全VPCでのFlow Logs有効化
各VPCでVPC Flow Logsを有効化し、CloudWatch Logsグループに送信
  • 送信元IP、宛先IP、プロトコル、ポート番号、バイト数、アクションを記録
2
CloudWatch Logs統合
統一されたログ形式でCloudWatch Logsに集約し、横断的分析を可能にする
  • リージョン横断でのログ集約とデータ正規化
3
CloudWatch Dashboards構築
VPC間トラフィックフロー、レイテンシー、トラフィック量を視覚化
  • リアルタイムメトリクスとアラーム設定による異常検出
4
Logs Insights分析環境
高度なクエリ機能でトラフィックパターンを詳細分析
  • 異常トラフィックやセキュリティインシデントの早期発見

CloudWatch Logs統合

CloudWatch Logs への統合により、NetworkIn/NetworkOut メトリクスに基づくアラーム設定でレイテンシーの異常を自動検出し、スケーラブルで費用対効果の高い監視基盤を構築できます。

リアルタイム監視

NetworkIn/NetworkOutメトリクスによるトラフィック量とレイテンシーの継続監視

自動アラート

閾値設定による異常検出とSNS通知での迅速な対応開始

ダッシュボード可視化

VPC間通信状況をグラフィカルに表示し、運用チームの状況把握を支援

コスト最適化

追加インフラ不要でAWSマネージドサービスによる運用負荷軽減

Logs Insightsでの分析

CloudWatch Logs Insightsの強力なクエリ機能により、トラフィックパターンの詳細分析と異常通信の特定が可能になります。SQL ライクなクエリでネットワーク動作を深く理解できます。

🔍Flow Logs のデータ分析例

VPC Flow Logs では以下の情報を分析できます: 送信元IP → 宛先IP のトラフィック量特定ポートへのアクセス頻度ACCEPT/REJECT されたトラフィックの比率異常な通信パターン(夜間の大量データ転送、未承認IPへのアクセス等)。これらの情報をCloudWatch Logs Insightsで横断的に分析することで、セキュリティインシデントやネットワーク異常を早期発見できます。

監視ツールの選択基準

Transit Gatewayの監視では、要件監視対象に応じた適切なツール選択が重要です。単一ツールですべてを満たすことは困難なため、複数ツールの組み合わせが効果的です。

Network Manager

Transit Gateway Network Managerは、グローバルネットワークトポロジの可視化とリアルタイムルート変更監視に特化しており、運用チームの状況把握と迅速な問題対応を支援します。

グローバル環境監視

複数リージョンにまたがるTransit Gateway接続の統合監視

ルート変更追跡

BGPルート変更やルートテーブル更新のリアルタイム通知

トポロジ可視化

ネットワーク構成の視覚的理解と変更インパクト分析

パフォーマンス監視

VPC間接続の品質メトリクスとボトルネック特定

VPC Reachability Analyzer

VPC Reachability Analyzerは、EC2インスタンス間の接続性を事前検証し、ルーティング問題やセキュリティグループ設定ミスを効率的に特定します。

ベストプラクティス

効率的なトラブルシューティング: VPC Reachability Analyzer でパス分析、Network Manager Route Analyzer でルート検証、VPC Flow Logs で実際のトラフィック調査を組み合わせることで、ネットワーク問題の根本原因を迅速に特定できます。

実践問題で確認

ここまで学んだTransit Gateway監視手法を、実践的な問題で確認しましょう。各問題は金融機関や製造企業等の実際のコンプライアンス要件に基づいており、適切な監視アーキテクチャ選択能力を養います。

AWS認定高度なネットワーキング - 専門知識

練習問題

ある金融機関は、AWSの複数のアカウントとリージョンにまたがる環境でマルチテナントアプリケーションを実行しています。このアプリケーションは3つの層で構成されています:顧客向けウェブポータル、バックエンドAPIサーバー、データベース層です。現在、各層は独自のVPCに分離されており、VPCピアリングで接続されています。セキュリティチームはシステムの成長に伴い、より強固なセキュリティ対策と一元管理が必要と判断しました。特に、VPC間のトラフィックを詳細に監視・制御し、不正アクセスの試みを検出・遮断する必要があります。同時にコンプライアンス要件により、すべてのネットワークトラフィックの詳細な検査と監査記録が義務付けられています。この要件を満たすための最適なアプローチはどれですか?(2つ選択)

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練習問題

あるマルチナショナル製造企業が、グローバル工場管理システムをAWSに移行しました。アプリケーションは複数のAWSリージョンのVPCに分散しています。 システム稼働から3か月が経過し、ネットワークエンジニアは以下の目的でパフォーマンスベースラインを確立する必要があります: - 工場間のデータ転送レイテンシー測定 - アプリケーションコンポーネント間の通信パターン分析 - ネットワーク利用率と効率の監視 この包括的なネットワークパフォーマンス分析を実行するために、最も効果的なアプローチはどれですか?

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練習問題

金融サービス企業がAWSでマルチリージョンアーキテクチャを実装し、複数のVPCをTransit Gatewayで接続しています。最近、あるリージョンのAmazon EC2インスタンスから別のリージョンのRDSデータベースへのアクセスに断続的な問題が発生しています。VPCピアリング、Transit Gatewayルートテーブル、セキュリティグループ、ネットワークACLなど、複数のネットワークコンポーネントが関与しているため、問題の特定が困難になっています。ネットワークエンジニアはこの問題を最も効率的にトラブルシューティングするために、どのようなアプローチを取るべきですか?

まとめ

Transit Gatewayでのネットワーク監視は、フローログを活用したトラフィック分析Network Manager での状態監視を組み合わせることで、セキュリティ要件とコンプライアンス要件を同時に満たす包括的な監視基盤を構築できます。

Transit Gateway中央ハブとして、すべてのVPC間トラフィックが単一制御ポイントを通過。VPC Flow LogsIPレベルの詳細情報を収集し、CloudWatch Logs Insights横断的分析を実現。金融機関や製造業のコンプライアンス要件を満たす包括的な監査証跡を提供します。

NetworkIn/NetworkOut メトリクスよるアラーム設定で、レイテンシー異常や不審なトラフィックパターンを自動検出。CloudWatch Dashboardsでの可視化により、運用チームの迅速な状況把握と対応開始を支援します。

VPC Reachability Analyzerパス分析、Network Manager Route Analyzerルート検証、VPC Flow Logs実トラフィック調査を組み合わせ。複数ツールの連携により、ネットワーク問題の根本原因を迅速特定し、MTTR(平均復旧時間)を大幅短縮できます。

これらの監視手法により、コンプライアンス要件運用効率を両立し、大規模ネットワーク環境での安定したサービス提供を実現できます。要件の優先度運用リソースに基づく適切なツール選択が重要なポイントとなります。

理解度チェック

VPC Flow LogsとNetwork Managerの使い分け基準と適用場面を説明できるか?

CloudWatch LogsとLogs Insightsを活用したトラフィック分析手法を理解しているか?

複数の監視ツールを組み合わせた効率的なトラブルシューティング手順を説明できるか?

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