AWS ANS-C01 対策 Transit Gateway でのネットワーク監視 - フローログ活用によるセキュリティ監視
Transit Gatewayでのネットワーク監視手法を解説。VPC Flow Logsとの組み合わせによる包括的なトラフィック分析、CloudWatch Logs Insightsでの可視化、コンプライアンス要件を満たす監査記録の実装方法を実践問題で理解します。
この記事のポイント
- 1Transit Gatewayを中心とした一元的ネットワーク監視アーキテクチャを理解する
- 2VPC Flow Logsとの組み合わせによる包括的トラフィック分析手法を習得する
- 3コンプライアンス要件を満たす監査記録とリアルタイム監視の実装方法を把握する
目次
Transit Gatewayを利用したネットワーク監視
Transit Gatewayは複数VPCの中央ハブとして機能し、すべてのVPC間トラフィックが単一制御ポイントを通過するため、一元的なネットワーク監視を実現する最適なポジションに位置します。
特に金融機関や製造業では、コンプライアンス要件を満たす包括的な監査記録と、リアルタイム異常検出が同時に求められます。

Transit Gateway 中心のネットワーク監視アーキテクチャ
監視対象の選定: VPC Flow Logs は詳細なトラフィック情報を提供し、Transit Gateway Network Manager はトポロジとルート変更をリアルタイム監視します。コンプライアンス重視なら VPC Flow Logs、運用監視重視なら Network Manager を中心とした設計が効果的です。
フローログ基盤の構築
Transit Gatewayでの包括的ネットワーク監視は、VPC Flow Logsを中核とした多層監視アーキテクチャで実現します。単一のログソースではなく、複数の観点からトラフィックを捕捉することが重要です。
一元的なログ収集
すべてのVPCでVPC Flow Logsを有効化し、CloudWatch Logsに集約することで、VPC間トラフィックの詳細情報(送信元/宛先IP、プロトコル、ポート、バイト数、アクション)を一元管理できます。
- •送信元IP、宛先IP、プロトコル、ポート番号、バイト数、アクションを記録
- •リージョン横断でのログ集約とデータ正規化
- •リアルタイムメトリクスとアラーム設定による異常検出
- •異常トラフィックやセキュリティインシデントの早期発見
CloudWatch Logs統合
CloudWatch Logs への統合により、NetworkIn/NetworkOut メトリクスに基づくアラーム設定でレイテンシーの異常を自動検出し、スケーラブルで費用対効果の高い監視基盤を構築できます。
リアルタイム監視
NetworkIn/NetworkOutメトリクスによるトラフィック量とレイテンシーの継続監視
自動アラート
閾値設定による異常検出とSNS通知での迅速な対応開始
ダッシュボード可視化
VPC間通信状況をグラフィカルに表示し、運用チームの状況把握を支援
コスト最適化
追加インフラ不要でAWSマネージドサービスによる運用負荷軽減
Logs Insightsでの分析
CloudWatch Logs Insightsの強力なクエリ機能により、トラフィックパターンの詳細分析と異常通信の特定が可能になります。SQL ライクなクエリでネットワーク動作を深く理解できます。
VPC Flow Logs では以下の情報を分析できます: 送信元IP → 宛先IP のトラフィック量、特定ポートへのアクセス頻度、ACCEPT/REJECT されたトラフィックの比率、異常な通信パターン(夜間の大量データ転送、未承認IPへのアクセス等)。これらの情報をCloudWatch Logs Insightsで横断的に分析することで、セキュリティインシデントやネットワーク異常を早期発見できます。
監視ツールの選択基準
Transit Gatewayの監視では、要件と監視対象に応じた適切なツール選択が重要です。単一ツールですべてを満たすことは困難なため、複数ツールの組み合わせが効果的です。
Network Manager
Transit Gateway Network Managerは、グローバルネットワークトポロジの可視化とリアルタイムルート変更監視に特化しており、運用チームの状況把握と迅速な問題対応を支援します。
グローバル環境監視
複数リージョンにまたがるTransit Gateway接続の統合監視
ルート変更追跡
BGPルート変更やルートテーブル更新のリアルタイム通知
トポロジ可視化
ネットワーク構成の視覚的理解と変更インパクト分析
パフォーマンス監視
VPC間接続の品質メトリクスとボトルネック特定
VPC Reachability Analyzer
VPC Reachability Analyzerは、EC2インスタンス間の接続性を事前検証し、ルーティング問題やセキュリティグループ設定ミスを効率的に特定します。
効率的なトラブルシューティング: VPC Reachability Analyzer でパス分析、Network Manager Route Analyzer でルート検証、VPC Flow Logs で実際のトラフィック調査を組み合わせることで、ネットワーク問題の根本原因を迅速に特定できます。
実践問題で確認
ここまで学んだTransit Gateway監視手法を、実践的な問題で確認しましょう。各問題は金融機関や製造企業等の実際のコンプライアンス要件に基づいており、適切な監視アーキテクチャ選択能力を養います。
AWS認定高度なネットワーキング - 専門知識
練習問題
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練習問題
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練習問題
まとめ
Transit Gatewayでのネットワーク監視は、フローログを活用したトラフィック分析とNetwork Manager での状態監視を組み合わせることで、セキュリティ要件とコンプライアンス要件を同時に満たす包括的な監視基盤を構築できます。
Transit Gatewayを
NetworkIn/NetworkOut メトリクスに
VPC Reachability Analyzerで
これらの監視手法により、コンプライアンス要件と運用効率を両立し、大規模ネットワーク環境での安定したサービス提供を実現できます。要件の優先度と運用リソースに基づく適切なツール選択が重要なポイントとなります。
理解度チェック
VPC Flow LogsとNetwork Managerの使い分け基準と適用場面を説明できるか?
CloudWatch LogsとLogs Insightsを活用したトラフィック分析手法を理解しているか?
複数の監視ツールを組み合わせた効率的なトラブルシューティング手順を説明できるか?