tsumiki-media logo

tsumiki-media

Command Palette

Search for a command to run...

AWSベストプラクティス
約19分
中級
6/10
2025年8月24日

AWS ANS-C01 対策 WAF vs Shield Advanced

AWS WAFとShield Advancedの適切な使い分けを解説。Web脅威とDDoS攻撃に対する異なるアプローチ、適用対象サービス、組み合わせ使用による多層防御の実装を実践問題で理解します。

この記事のポイント

  • 1
    AWS WAFとShield Advancedの基本的な違いと適用場面を理解する
  • 2
    Web脅威とDDoS攻撃に対する異なる防御アプローチを把握する
  • 3
    多層防御における両サービスの組み合わせ使用方法を習得する

目次

WAF vs Shield Advanced の基本的な違い

AWS WAFAWS Shield Advancedは、それぞれ異なる種類の脅威に対する防御を提供するセキュリティサービスです。WAFはWeb アプリケーション層の攻撃に、Shield AdvancedはDDoS攻撃に特化しており、適用場面が大きく異なります。

資格試験では、これらの使い分け組み合わせ使用による多層防御の実装パターンが重要なポイントとなります。

AWS WAF vs Shield Advanced の防御対象と適用範囲

AWS WAF vs Shield Advanced の防御対象と適用範囲

図の上側のAWS WAFはL7アプリケーション層でSQLインジェクション、XSS等のWeb脅威を防御し、下側のShield AdvancedはL3/L4/L7レベルでのDDoS攻撃を包括的に防御します。

使用場面の判断基準

適切なサービスを選択するためには、想定される脅威の種類と必要な保護レベルを理解することが重要です。

AWS WAF を選ぶべき場面

AWS WAFは、Web アプリケーション層の攻撃防御に特化したサービスです。最小運用負荷で効果的なWeb脅威対策を実現できます。

SQLインジェクション・XSS攻撃対策

マネージドルールにより最新のWeb脅威パターンを自動で検出・ブロックし、継続的な保護を提供します。

地理的制限・IPベースフィルタリング

特定の国や地域からのアクセスを制限し、不正アクセスの温床となる地域からのトラフィックを効率的にブロックします。

アプリケーションレイヤー制御

HTTPリクエストヘッダー、ボディ、URIパスに基づく詳細な制御により、きめ細かい防御ルールを適用できます。

判断基準

重要: Network Load Balancer (NLB) には WAF を直接適用できません。NLB環境でWeb脅威対策が必要な場合は、ALBへの変更またはCloudFront + WAFの組み合わせを検討します。

Shield Advanced を選ぶべき場面

AWS Shield Advancedは、大規模DDoS攻撃からの包括的保護と金銭的責任軽減を提供するプレミアムサービスです。

大規模DDoS攻撃防御

L3/L4/L7レベルでの多層DDoS保護により、ボリュメトリック攻撃、プロトコル攻撃、アプリケーション攻撃を包括的に防御します。

金銭的責任軽減

DDoS攻撃時のAWS利用料金急増を補償し、予期しない高額請求から企業を保護します。

24/7 DRT サポート

DDoS Response Team による専門的な攻撃分析と対応支援を受けることができます。

高可用性システム保護

ミッションクリティカルなサービスの可用性を確保し、ビジネス継続性を維持します。

多層防御での組み合わせパターン

実際のエンタープライズ環境では、WAF と Shield Advanced を組み合わせた多層防御がベストプラクティスとなります。

1
エッジレベル防御 (CloudFront)
Shield Advanced + WAF をCloudFrontに適用し、最前線での攻撃検知・緩和
  • DDoS攻撃の早期検出と自動緩和
  • SQLインジェクション・XSS の事前ブロック
  • 地理的制限による不正アクセス防止
2
アプリケーション層防御 (ALB)
WAF をApplication Load Balancerに適用し、詳細なHTTPリクエスト検査
  • アプリケーション固有の攻撃パターン検出
  • カスタムルールによる業務特化型防御
  • レート制限による不正ログイン試行対策
3
ネットワーク層防御 (Network Firewall)
AWS Network Firewall による VPCレベルでの詳細パケット検査
  • 侵入検知・防御システム (IDS/IPS) 機能
  • ドメインリスト・URLフィルタリング
  • TLS インスペクションによる暗号化トラフィック検査
4
中央集中管理
AWS Firewall Manager による統一ポリシー管理と Security Hub による監視統合
  • 組織全体での一貫したセキュリティポリシー適用
  • リアルタイムセキュリティダッシュボード
  • コンプライアンス状況の継続的評価
ベストプラクティス

金融機関や医療機関など高セキュリティ要件の環境では、WAF + Shield Advanced + Network Firewall の組み合わせによる包括的多層防御がAWSセキュリティのベストプラクティスです。

実践問題で確認

ここまで学んだWAF vs Shield Advancedの使い分けを、実践的な問題で確認しましょう。各問題は実際の企業環境で発生するセキュリティ課題に基づいており、適切なソリューション選択能力を養います。

AWS認定高度なネットワーキング - 専門知識

練習問題

ある企業は従業員が使用する内部ウェブアプリケーションを、プライベートサブネット内のAmazon EC2インスタンスのフリート上でホストしています。これらのインスタンスはAuto Scalingグループによって管理され、同じサブネット内のNetwork Load Balancer (NLB) の背後に配置されています。このアプリケーションは企業のオンプレミスネットワークに接続されたVPNを通じてアクセスされます。最近、アプリケーションがSQLインジェクション攻撃の標的となり、ネットワークエンジニアは今後このような攻撃を防ぐためのソリューションを実装する必要があります。SQLインジェクション攻撃を軽減するために最も効果的な対策はどれですか?

AWS認定高度なネットワーキング - 専門知識

練習問題

ある医療機関が、患者の予約システムをインターネットに公開しています。このシステムを大規模なDDoS攻撃から保護し、攻撃によって発生するインフラのスケーリングコストから金銭的責任を軽減するための、最も包括的なマネージドサービスはどれですか?

AWS認定高度なネットワーキング - 専門知識

練習問題

金融機関のオンラインバンキングアプリケーションがALB背後のECSコンテナで実行され、CloudFrontがフロントエンドとして機能しています。 以下の脅威から保護する必要があります: - SQLインジェクション、XSS - 大規模DDoS攻撃 - 不正ログイン試行 要件: - 多層防御 - アプリケーション層/ネットワーク層の保護 - 異常トラフィックの自動ブロック - 中央集中管理 これらの要件を満たすセキュリティアーキテクチャはどれですか?

まとめ

AWS WAFとShield Advancedは、それぞれ異なる脅威に対する専門的な防御を提供します。WAFはWeb脅威対策Shield AdvancedはDDoS保護・金銭的責任軽減が主目的です。実際のエンタープライズ環境では、両方を組み合わせた多層防御がAWSセキュリティのベストプラクティスとなります。

SQLインジェクション・XSS攻撃対する効果的な防御をマネージドルールで実現。ALB・CloudFront・API Gateway適用可能で、地理的制限・IPベースフィルタリング・アプリケーション層制御により最小運用負荷でWeb脅威対策を提供します。重要: NLBには直接適用不可。

L3/L4/L7レベルの大規模DDoS攻撃から包括的保護を提供し、攻撃時のAWS利用料金急増を補償する金銭的責任軽減機能が特徴。24/7 DRT サポートより専門的な攻撃分析・対応支援を受けられ、ミッションクリティカルなシステムの可用性を確保します。

CloudFront (WAF+Shield Advanced) → ALB (WAF) → Network Firewall組み合わせにより、エッジ・アプリケーション・ネットワーク各層での防御を実現。Firewall Manager + Security Hubよる中央集中管理で、金融・医療機関など高セキュリティ要件に対応します。

これらの使い分け原則により、コスト効率セキュリティレベルのバランスを取りながら、適切な脅威対策を実装できます。実際の資格試験では、脅威の種類求められる保護レベルに基づく適切な選択が重要なポイントとなります。

理解度チェック

WAFとShield Advancedの基本的な違いと適用場面を説明できるか?

各サービスの適用対象(ALB、NLB、CloudFront等)の制約を理解しているか?

多層防御における両サービスの組み合わせパターンと実装方法を説明できるか?

他の問題も解いてみませんか?

tsumikiでは、AWS認定試験の合格に必要な知識を体系的に学習できます。実践的な問題を通じて、AWSスキルを身につけましょう。