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AWSベストプラクティス
約20分
上級
7/10
2025年9月12日

AWS ANS-C01 対策 CloudFormation StackSets による複数アカウント自動デプロイメント

CloudFormation StackSetsによる複数アカウント・リージョンへの統合管理手法を解説。AWS Control Towerとの統合による「ゴールデンパス」実現、6段階デプロイフロー、権限管理を実践問題で理解します。

この記事のポイント

  • 1
    CloudFormation StackSetsによる複数アカウント・リージョンへの統合管理戦略を理解する
  • 2
    AWS Control Towerとの統合による「ゴールデンパス」アプローチの実装方法を把握する
  • 3
    大規模組織での運用効率化とコスト最適化の実現手法を習得する

目次

CloudFormation StackSets

CloudFormation StackSetsは、複数のAWSアカウントとリージョンに対して一貫したインフラストラクチャを自動デプロイするサービスです。

大規模組織において、統一された標準化されたリソースを効率的に管理し、「ゴールデンパス」アプローチによる運用効率化を実現します。

CloudFormation StackSets による複数アカウント・リージョン統合管理アーキテクチャ

CloudFormation StackSets による複数アカウント・リージョン統合管理アーキテクチャ

1
StackSet作成・更新
組織管理者がAWS Organizations管理アカウントからStackSetを作成・更新
  • 標準テンプレート(ゴールデンパス)による統一されたリソース定義
2
テンプレート参照
StackSetが標準化されたCloudFormationテンプレートを参照
  • 組織全体で統一されたインフラストラクチャ設計の適用
3
OU指定デプロイ
組織単位(OU)を指定してターゲットアカウントグループを制御
  • 本番環境OU、開発環境OU、セキュリティOUへの柔軟な展開制御
4
権限確認・委譲
StackSet管理ロールから実行ロールへの権限委譲による安全な実行
  • 各アカウントでのStack作成・更新に必要な最小権限の適用
5
複数リージョン並列展開
指定されたアカウントの複数リージョンに対するStack同時デプロイ
  • us-east-1、ap-northeast-1等への並列インフラストラクチャプロビジョニング
6
統合管理・監視
全アカウント・リージョンのデプロイ状況を一元的に監視・管理
  • ドリフト検出、変更管理、ガバナンス適用の自動化

複数アカウント管理におけるメリット

StackSetsは大規模組織における複雑なマルチアカウント環境の管理課題を解決し、運用効率化とコスト最適化を同時に実現します。

AWS Control Tower 統合による効果

AWS Control Towerとの緊密な統合により、組織全体のガバナンスとコンプライアンス要件を自動的に満たすインフラストラクチャ管理が可能になります。

自動ガバナンス適用

Guardrailsによるセキュリティとコンプライアンス要件の自動適用により、手動設定ミスを防止できます。

アカウントファクトリとの連携

新規アカウント作成時の標準設定自動適用により、一貫した環境構築を保証します。

StackSetsは大規模組織における複雑なマルチアカウント環境の管理課題を解決し、運用効率化とコスト最適化を同時に実現します。Control Towerとの統合によるマルチアカウントガバナンスについて深く学びたい場合は、以下の記事を参照してください。

「ゴールデンパス」アプローチの実現

「ゴールデンパス」とは、組織内で承認された標準化された手法・設定・プロセスを指し、StackSetsによりこのアプローチを技術的に実現できます。

標準化テンプレートライブラリ

承認されたCloudFormationテンプレートのライブラリにより、一貫したリソース構成を保証します。

自動コンプライアンスチェック

デプロイ前後のガバナンスルール自動検証により、規制違反を未然に防止します。

🔍ゴールデンパス vs 従来アプローチ

従来のチーム個別の独自手法では、アカウント間の設定不整合、セキュリティリスク、運用コストの増大が課題でした。StackSetsによるゴールデンパスでは、組織承認の標準手法を技術的に強制することで、これらの課題を根本解決します。結果として、構成ミスの大幅減少、セキュリティレベルの向上、運用効率化、コンプライアンス確保を同時実現できます。

判断基準

CloudFormation StackSets vs Terraform: Terraformは柔軟性に優れますが、AWS環境でのマルチアカウントガバナンスControl Tower統合組織レベルのコンプライアンス管理においてはStackSetsが優位です。既存のAWS管理プロセスとの統合も容易です。

実践問題で確認

ここまで学んだCloudFormation StackSetsによる複数アカウント統合管理を、実践的な問題で確認しましょう。各問題は大規模組織でよく発生するインフラ標準化と運用効率化の課題に基づいており、適切な技術選択能力を養います。

AWS認定高度なネットワーキング - 専門知識

練習問題

あるエンタープライズ企業は、AWS Control Towerを使用して管理される複数のAWSアカウントを持つ環境を構築しました。ネットワークエンジニアは、クラウドネットワークリソースの最適化プロセスを自動化するためのInfrastructure as Code(IaC)ソリューションを実装する必要があります。 現在の環境には次のような特徴があります: - AWS OrganizationsのOUに基づいて組織された複数のアカウント - 各アカウントに複数のVPC(マルチリージョン) - VPC間の接続はResource Access Manager(RAM)を介して共有された中央のTransit Gateway - オートメーションのためのCI/CDパイプライン(AWS CodeBuild、AWS CodePipeline) - 現在のネットワーク設定の大部分は手動で設定されている エンジニアは次の要件を実装する必要があります: 1. すべての新旧アカウントにおいて、一貫性のある最適化されたネットワーク設定を確保する 2. ネットワークリソースのプロビジョニングとデプロイを自動化する 3. 「ゴールデンパス」アプローチを使用して、ネットワーク構成を標準化する 4. リソースの無駄を最小限に抑え、最適化の機会を自動的に特定して実装する 5. コンプライアンスの問題を検出して修正する これらの要件を実装するために、ネットワークエンジニアはどのようなアプローチを採用すべきですか?

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練習問題

ある企業が複数のリージョンにまたがるAWSインフラストラクチャを拡張しています。急速に成長するビジネスニーズに対応するため、ネットワークチームはVPC、サブネット、セキュリティグループなどのネットワークリソースを頻繁にプロビジョニングし、更新する必要があります。しかし、手動プロセスによる構成ミスやセキュリティリスクが増加していることが懸念されています。 企業のCTOは、以下の要件を満たすネットワークリソース管理の自動化戦略を実装するよう指示しました: - 構成ミスのリスクを最小限に抑える - 標準化されたセキュリティベストプラクティスを一貫して適用する - 変更管理プロセスを向上させる - 効率性を高め、運用コストを削減する - クラウドリソースの無駄を減らす - 複数のAWSアカウントとリージョンにわたる一貫したネットワーク構成を維持する この企業がクラウドネットワーク環境のリスクを排除し、効率化を実現するために実装すべき最もコスト効率の高いソリューションはどれですか?

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練習問題

あるeコマース企業が、グローバル展開に伴いAWS環境の急速な拡大を経験しています。現在、この企業は10のAWSアカウントを持ち、世界中の4つのリージョンでアプリケーションを実行しています。各アカウントには複数のVPC、サブネット、セキュリティグループが存在し、それらは以前は手動で管理されていました。 しかし、最近のいくつかの問題が発生しています: - ネットワーク設定の不整合により、セキュリティの脆弱性が生じている - リージョン間で重複するリソースが多く、コストが増加している - ネットワーク構成の変更に時間がかかり、アプリケーションのデプロイが遅延している - ネットワークリソースの効率的な使用を示すメトリクスや指標が不足している 企業のCTOは、Infrastructure as Code(IaC)アプローチを採用してクラウドネットワークリソースの最適化プロセスを自動化し、これらの課題に対処することを決定しました。 最小限の運用オーバーヘッドで、ネットワークインフラストラクチャの一貫性、セキュリティ、コスト効率、およびパフォーマンスを向上させるために、この企業が実装すべき最も効果的な戦略はどれですか?

まとめ

CloudFormation StackSetsによる複数アカウント統合管理は、大規模組織における一貫性効率性ガバナンスを同時に実現する最適な手法です。AWS Control Towerとの統合により「ゴールデンパス」アプローチを技術的に実現し、運用効率化とコスト最適化を達成できます。

CloudFormation StackSetsより、複数のAWSアカウントとリージョンに対して一貫したインフラストラクチャを自動デプロイ。AWS Organizationsとの連携で柔軟なターゲット指定と段階的展開を実現し、大規模環境の効率的な管理が可能です。

AWS Control Towerとの緊密統合により、組織承認の標準化されたテンプレートライブラリと自動コンプライアンスチェックを実現。Guardrailsよる自動ガバナンス適用と統一された運用手順で、構成ミスを防止し運用効率を向上させます。

StackSet管理ロールから実行ロールへの適切な権限委譲により安全な実行を確保。複数リージョン並列展開統合管理・監視より、全アカウント・リージョンのデプロイ状況を一元的に監視・管理できます。

これらの統合管理パターンにより、手動プロセスのリスク排除大規模環境での一貫性確保を同時実現できます。StackSetの6段階デプロイフローの理解と適切な権限設計が成功の鍵となります。

理解度チェック

StackSetsと他のIaCツール(Terraform、CDK)の適用場面の違いを説明できるか?

AWS Control Towerとの統合による「ゴールデンパス」実現の仕組みを理解しているか?

StackSetの6段階デプロイフロー(作成・更新→テンプレート参照→OU指定→権限委譲→並列展開→統合監視)を順序立てて説明できるか?

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