AWS SCS-C02 対策 AWS Resource Access Manager マルチアカウント環境のリソース共有戦略
AWS Resource Access Managerを活用したマルチアカウント環境でのネットワーク・セキュリティリソース共有、コスト最適化、統制管理を実践問題で完全攻略。
この記事のポイント
- 1AWS RAMによるマルチアカウント環境でのリソース共有メカニズムを理解する
- 2ネットワーク・セキュリティリソースの効率的な共有パターンを習得する
- 3Organizations統合による統制管理とコスト最適化手法を把握する
目次
AWS Resource Access Manager(RAM)の基本
AWS Resource Access Manager(RAM)は、マルチアカウント環境でのリソース共有を一元管理するサービスです。組織内で重複投資を削減し、統制された方法で安全にリソース共有を実現します。AWS Organizationsと深く統合され、OU(組織単位)レベルでの共有管理が可能です。
リソース共有モデル
RAMではリソース所有者とリソース利用者を明確に分離します。所有者が共有設定と権限を管理し、利用者は共有されたリソースにアクセスするだけです。この分離により、セキュリティ統制と運用効率化を両立できます。
所有者アカウント
リソースの作成・設定・削除権限を保持。共有設定と共有先の管理を担当。コスト負担とライフサイクル管理の責任を持つ。
利用者アカウント
共有リソースへの使用権のみ。設定変更や削除は不可能。最小権限の原則に基づく安全なアクセスが保証される。
Organizations統合
OU単位での一括共有設定。新規アカウント追加時の自動共有適用。組織全体の統制とガバナンス強化を実現。
対応リソースタイプ
RAMが対応する主要リソースは、ネットワーク、セキュリティ、運用効率化の3カテゴリに分類されます。各リソースタイプで共有の制約と利用方法が異なります。
ネットワーク
セキュリティ
運用管理
ネットワークリソースの共有戦略
VPCサブネット共有は、マルチアカウント環境でのコスト削減と運用効率化の中核です。共有サービスアカウントからOU単位で提供し、事業部門アカウントでの重複投資を削減します。
VPCサブネット共有による統制
共有VPC設計では、ネットワーク設定の一元管理と利用者の分離を実現します。利用者アカウントは共有サブネット内でEC2等を起動できますが、ネットワーク設定の変更権限は持ちません。
部門間セキュリティ分離
共有サブネット利用時も論理的な分離は維持されます。セキュリティグループは各アカウントで独立管理され、他アカウントのリソースへの直接アクセスは制限されます。
VPCサブネット共有により、重複ネットワーク投資の削減とIPアドレス空間の効率的利用が実現されます。一元的なネットワーク管理により運用負荷を軽減しながら、セキュリティグループによる部門間通信の制御可能性も維持できます。
セキュリティリソースの共有
CloudHSMやKMSキーの共有では、暗号化処理の統制と効率化を実現します。中央セキュリティアカウントからの一元管理で、規制要件への対応も簡素化されます。
CloudHSM跨ぎアカウント利用
CloudHSM共有では、HSMクラスターへの接続にネットワーク共有が必要です。VPCサブネット共有とセキュリティグループ設定の組み合わせで、安全な跨ぎアカウントアクセスを実現します。

CloudHSM跨ぎアカウント共有アーキテクチャ
上図のように、中央セキュリティアカウントのCloudHSMを利用者アカウントから使用するには、VPCサブネット共有が前提となります。HSM自体はRAMで直接共有できないため、ネットワーク接続を共有して利用します。
最小権限アクセス制御
CloudHSM利用では、最小権限の原則を徹底します。利用者アカウントには暗号化・復号化権限のみ付与し、HSMクラスターの管理権限は所有者アカウントが保持します。
所有者アカウント権限
CloudHSMクラスターの作成・削除・設定変更。HSMユーザー管理とキー管理。コスト管理とライフサイクル制御。
利用者アカウント権限
暗号化・復号化操作のみ。共有VPCサブネット内からのネットワークアクセス。セキュリティグループによる接続制御。
実践問題で確認
AWS RAMの理解度を、実践的な問題形式で確認しましょう。各問題は異なるリソース共有シナリオを扱っています。
AWS認定セキュリティ - 専門知識
練習問題
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練習問題
AWS認定セキュリティ - 専門知識
練習問題
まとめ
AWS Resource Access Manager(RAM)は、マルチアカウント環境でのリソース共有を効率化し、コスト削減と統制管理を両立する重要なサービスです。特にVPCサブネット共有とCloudHSM共有は、実際の企業環境で重要な実装パターンです。
共有サービスアカウントから
中央セキュリティアカウントの
OU単位での
これらのポイントを押さえることで、RAM関連の試験問題を効率的に解答できるようになります。特に共有リソースタイプとアクセス制御方法の理解が重要です。
理解度チェック
RAMの所有者・利用者モデルとOrganizations統合のメリットを説明できるか?
VPCサブネット共有による部門間分離とコスト削減効果を理解しているか?
CloudHSM跨ぎアカウント利用の実装方法と制約を把握しているか?