AWS SAA-C03 対策 S3ストレージクラス選択
AWS S3のストレージクラス選択をアクセス頻度×保存期間×取得時間の3軸でシンプルに判断する。ライフサイクルポリシーとIntelligent-Tieringの使い分けを実践問題で完全攻略。
この記事のポイント
- 1アクセス頻度×保存期間×取得時間の3軸判断法をマスターする
- 2S3 Intelligent-Tieringの詳細な仕組みと適用場面を理解する
- 3各ストレージクラスの特性と適用場面を正確に理解する
目次
3軸判断法:確実に正解を導く思考プロセス
AWS資格試験でS3ストレージクラスの問題を確実に正解するには、3つの軸で体系的に判断することが重要です。この判断法をマスターすれば、複雑な業界要件やライフサイクル設計の問題でも迷うことなく最適解を導き出せます。
軸1:アクセス頻度
データにどの程度アクセスするか
軸2:保存期間
データをどの程度の期間保存するか
軸3:取得時間
データを取得するまでにどの程度の時間が許容できるか
主要ストレージクラスの特性比較
資格試験では、各ストレージクラスのコスト、取得時間、可用性の違いを正確に理解することが重要です。特に、Glacier Deep Archiveは最低コストだが24-48時間の取得時間、Standard-IAは即座取得可能だがコストは中程度、という特徴を押さえておきましょう。
S3 Standard
S3 Standard-IA
S3 Glacier Flexible Retrieval
S3 Glacier Deep Archive
S3 Intelligent-Tiering
ライフサイクルポリシーの基本
AWS資格試験では、ライフサイクルポリシーを使った自動的なストレージクラス移行の理解が重要です。ライフサイクルポリシーにより、時間の経過とともにデータを適切なストレージクラスに自動移行し、コストを最適化できます。
ライフサイクルルールの設定方法
ライフサイクルルールは、オブジェクトの作成日からの経過日数に基づいて自動的にストレージクラスを移行するルールです。
AWS資格試験では、このルールの仕組みと制約を正確に理解することが重要です。特に、各ストレージクラス間の移行タイミングと最小保存期間の関係は重要な概念となっています。
ライフサイクルルールの移行フローを視覚的に理解することで、各ストレージクラス間の関係性と移行タイミングを把握できます。
以下の図は、Standard から Deep Archive までの段階的な移行パスと、各段階での推奨日数を示しています:

S3ストレージクラス移行フロー - ライフサイクルルールによる自動移行パス
上記のフローで示された移行パターンは、30日→90日→365日という段階的な設計になっています。この設計により、データのアクセス頻度が時間とともに減少するという一般的なパターンに対応し、コストを最適化できます。
ライフサイクルルールを設定する際は、以下の重要な制約を必ず考慮する必要があります。これらの制約を理解せずに設定すると、予期しない追加料金が発生する可能性があります:
最小保存期間の制約
各ストレージクラスには最小保存期間がある(Standard-IA: 30日、Glacier: 90日、Deep Archive: 180日)
早期削除料金
早期削除には追加料金が発生
一方向移行
移行は一方向のみ(自動的な逆移行はなし)
Intelligent-Tiering vs ライフサイクルルール
Intelligent-Tieringとライフサイクルルールは、どちらもS3のコスト最適化を実現する機能ですが、最適化のアプローチが根本的に異なります。
資格試験では、データの特性やアクセスパターンに応じてどちらを選択すべきかを正確に判断することが重要です。以下の比較表で両者の違いを確認しましょう。
S3 Intelligent-Tiering
S3 Lifecycle Policy
上記の比較を踏まえ、選択基準は以下の通りです:
Intelligent-Tieringを選ぶべき場合
アクセスパターンが予測困難または変動が激しい、管理オーバーヘッドを最小化したい、データに対するアクセスが不規則で時々急にアクセスが必要になる
ライフサイクルルールを選ぶべき場合
アクセスパターンが予測可能で段階的に減少する、コストを事前に正確に予測したい、追加の監視料金を避けたい
問題文で「アクセスパターンが予測不可能」「変動が激しい」などのキーワードがあればIntelligent-Tiering、「段階的にアクセス頻度が減少」「時間経過とともに」などがあればライフサイクルルールを選択しましょう。
実践問題で確認
ここまでの理論を、実践的な練習問題で確認してみましょう。3軸判断法とライフサイクルポリシーの知識を組み合わせて解答することで、確実に正解を導き出すことができます。
AWS認定クラウドプラクティショナー
練習問題
AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト
練習問題
AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト
練習問題
まとめ
3軸判断法(アクセス頻度×保存期間×取得時間)をマスターすることで、どんな複雑な要件でも確実に最適なストレージクラスを選択できます。
各ストレージクラスの特性を正確に理解することで、問題文の要件から最適解を導き出せるようになります:
Standard
高頻度アクセス、制限なし、最高コスト
Standard-IA
低頻度だが即座取得、30日最小保存期間
Intelligent-Tiering
自動最適化、監視料金あり、アクセスパターン不明時に最適
Glacier Flexible
アーカイブ、3つの取得オプション、90日最小保存期間
Glacier Deep Archive
最低コスト、12-48時間取得、180日最小保存期間
Intelligent-Tieringは単純な階層移行だけでなく、オプションのアーカイブ層設定により長期保存にも対応できる柔軟性が特徴です。アクセスパターンが予測困難な場合の第一選択肢となります。
理解度チェック
アクセス頻度×保存期間×取得時間の3軸判断法を使って、適切なストレージクラスを選択できるか?
「運用オーバーヘッド最小」「自動化」「規制要件」などのキーワードから適切なソリューションを導き出せるか?