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AWSベストプラクティス
約13分
上級
7/10
2025年7月27日

AWS SCS-C02 対策 AWS Service Catalog 標準化されたリソース管理とセルフサービス型デプロイ

AWS Service Catalogによる承認済みリソースの標準化管理、セルフサービス型デプロイの実現、外部開発チームへの安全なアクセス制限を実践問題で完全攻略。

この記事のポイント

  • 1
    Service Catalogによる標準テンプレート管理とガバナンス強化を理解する
  • 2
    セルフサービス型デプロイによる運用負荷削減手法を習得する
  • 3
    外部開発チームへの安全なアクセス制限方法を把握する

目次

AWS Service Catalog の基本概念

AWS Service Catalogは、組織が承認したクラウドリソースのカタログを作成し、エンドユーザーがセルフサービスで必要なリソースをデプロイできるサービスです。管理者は承認済みのCloudFormationテンプレートをポートフォリオとして管理し、開発者は承認されたリソースのみを使用できます。

ポートフォリオによる標準テンプレート管理

ポートフォリオは関連する製品(CloudFormationテンプレート)をグループ化し、アクセス制御を統一管理する仕組みです。組織単位(OU)やアカウントレベルでの共有により、標準化されたリソースのみの使用を強制できます。

承認済みテンプレートの集中管理

セキュリティ・コンプライアンス要件を満たすCloudFormationテンプレートをポートフォリオで一元化。業界規制(PCI DSS、HIPAA等)に準拠したリソース構成を提供。

Organizations統合による組織単位共有

AWS Organizations の OU レベルでポートフォリオを共有。新規アカウント作成時も自動的にアクセス権が付与され、一貫したリソース標準を維持。

きめ細かなアクセス制御

IAMロールベースでポートフォリオ・製品レベルのアクセス制御。開発者は必要な製品のみアクセス可能で、セキュリティリスクを最小化。

セルフサービス型デプロイ

開発者はService Catalogコンソールから必要なリソースを選択し、パラメータを入力するだけでデプロイが完了します。管理者の承認プロセスを経ずに即座にリソースを利用できるため、開発速度の向上と運用負荷の削減を両立できます。

判断基準

「最小限の運用オーバーヘッド」「迅速なデプロイ」の要件では、Service Catalogのセルフサービス機能が最適解となります。

ガバナンス強化とコンプライアンス対応

Service Catalogは事前承認されたリソースのみの使用を強制し、規制要件への準拠を自動化します。デプロイ後も変更履歴の追跡により、監査可能性を確保できます。

外部開発チームへのアクセス制限

委託開発チームに対して、承認されたリソースのみへのアクセスを制限し、デプロイ計画への統制を実現します。Service CatalogのIAM統合により、必要最小限の権限でリソース管理が可能です。

外部開発チームへのアクセス制限は、以下の3つの制御層を通じて実現されます:

外部開発チームアクセス制限の全体フロー

外部開発チームアクセス制限の全体フロー

上図に示すように、管理アカウントでService Catalogポートフォリオを作成し、組織制御(AWS Organizations + IAM)を経由して外部開発チームに制限付きアクセスを提供します。この構成により、承認済みリソースのみの利用を強制できます。

具体的な実装手順は以下の通りです:

1
管理アカウントでポートフォリオ作成
セキュリティ承認済みCloudFormationテンプレートを製品として登録
2
OU レベルでポートフォリオ共有
委託開発チームが属するOUにポートフォリオを共有設定
3
IAMロールによる制限
外部開発者には「EndUser」権限のみ付与し、製品の起動・管理権限を制限
4
製品起動の制御
承認された製品のみ起動可能で、直接的なAWSリソース作成を禁止

バージョン管理と通知機能

製品の新バージョンがリリースされた際、Service Catalogは自動通知を送信し、開発者に最新版の利用を促します。セキュリティパッチや機能改善を迅速に展開できます。

他サービスとの使い分け

Service Catalogの採用判断では、要件の特性を正確に把握することが重要です。以下の比較表で適用場面を理解しましょう。

AWS Service Catalog

主要用途
標準化+セルフサービス
運用の複雑度
低(自動化済み)
セルフサービス
◎(完全対応)
承認済みリソース強制
◎(事前制御)
外部開発チーム向け
◎(最適)

AWS CloudFormation StackSets

主要用途
マルチアカウント一括デプロイ
運用の複雑度
中(設定・管理が必要)
セルフサービス
×(管理者のみ)
承認済みリソース強制
△(展開のみ)
外部開発チーム向け
×(権限過大)

AWS Organizations SCP

主要用途
リソースタイプ制限
運用の複雑度
高(細かな権限制御)
セルフサービス
×(制限のみ)
承認済みリソース強制
○(拒否制御)
外部開発チーム向け
△(複雑な設定)

AWS Config

主要用途
コンプライアンス監視
運用の複雑度
中(ルール設定が必要)
セルフサービス
×(監視のみ)
承認済みリソース強制
○(事後監視)
外部開発チーム向け
×(監視のみ)
判断基準

「標準化」「セルフサービス」「外部チーム」がキーワードの場合、Service Catalogが最適解です。

実践問題で確認

実践的な問題を通じて、Service Catalogの適用場面と実装方法を確認しましょう。各問題で要件の違いに注目してください。

AWS認定セキュリティ - 専門知識

練習問題

ある金融サービス企業は、新しいビジネスユニットごとに特定のAWSリソースと構成を持つ環境を迅速にデプロイする必要があります。各ビジネスユニットは独自のAWSアカウントを持ち、AWS Organizationsの特定のOUに配置されています。企業のセキュリティチームは、承認済みの標準テンプレートのみを使用してリソースがデプロイされるようにし、デプロイプロセスへのアクセスを制限したいと考えています。セキュリティチームはすでに必要なインフラストラクチャとサービスを定義したAWS CloudFormationテンプレートを作成しています。 最小限の運用オーバーヘッドでこれらの要件を満たす最も効果的な方法は何ですか?

AWS認定セキュリティ - 専門知識

練習問題

ある大手金融機関では、複数の開発チームが様々なクラウドインフラストラクチャをデプロイしています。セキュリティチームは、開発者が使用できるAWSリソースの種類を制限し、すべてのリソースがセキュリティとコンプライアンスの基準を満たすことを確保したいと考えています。具体的には、開発者が特定の要件に準拠したイメージのみを使用することを保証したいと考えています。 会社の要件は以下の通りです: - 開発者は各自のアカウントで特定の事前承認されたリソースのみを作成できる - すべての製品は最新のセキュリティパッチが適用され、業界の規制に準拠している必要がある - インフラストラクチャの変更は監査可能でなければならない - 新しいバージョンのリソースがリリースされた際は、開発者に通知し、最新バージョンを利用できるようにする必要がある - リソースの構成は組織のベストプラクティスに従っている必要がある セキュリティチームは現在、AWS Organizations、AWS CloudFormation、IAMポリシーを使用していますが、承認されたリソースの使用を強制するための最適な方法を探しています。 これらの要件を最も効果的に満たすソリューションはどれですか?

まとめ

AWS Service Catalogは、標準化とガバナンスを維持しながらセルフサービス型クラウド利用を実現する最適なソリューションです。承認済みリソースのみの使用強制と、開発者の自律性確保を両立できます。

承認済みCloudFormationテンプレートをポートフォリオで集中管理。OU レベルでの共有により組織全体での標準化を実現。新規アカウントも自動的にアクセス権が付与され、一貫したリソース標準を維持。

開発者は管理者承認なしで必要なリソースを即座にデプロイ可能。「最小限の運用オーバーヘッド」要件に対する最適解。開発速度向上と運用負荷削減を同時実現。

委託開発チームには承認されたリソースのみへのアクセスを制限。IAM統合により必要最小限の権限でリソース管理。デプロイ計画への統制とセキュリティリスク最小化を実現。

これらのポイントを押さえることで、Service Catalog関連問題を効率的に解けるようになります。特に「標準化」「セルフサービス」「外部チーム」がキーワードの問題では必須の選択肢です。

理解度チェック

ポートフォリオのOU共有による標準テンプレート管理を理解しているか?

セルフサービス型デプロイのメリットと運用負荷削減効果を把握しているか?

外部開発チームへの安全なアクセス制限方法を説明できるか?

他サービス(StackSets、SCP、Config)との使い分け判断ができるか?

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