tsumiki-media logo

tsumiki-media

Command Palette

Search for a command to run...

分野まとめ記事
約24分
マスター
10/10
2025年9月8日

AWS ANS-C01 分野別完全攻略 ネットワーク実装

AWS Certified Advanced Networking - Specialty (ANS-C01) 試験の重要分野である「ネットワーク実装」を完全網羅。ハイブリッド接続、DNS、VPC内接続、診断・自動化という4つの柱で、ネットワーク実装に必要な主要サービスの詳細な設定とユースケースを10の技術記事で横断的に解説します。

この記事のポイント

  • 1
    ハイブリッド接続、DNS、VPC内接続、診断・自動化に関する主要な実装パターンを理解する
  • 2
    ビジネス要件に応じて最適なAWSネットワークサービスを実装する能力を養う
  • 3
    実践的な問題演習を通じて、複雑なネットワーク要件に対する実装・トラブルシューティング能力を深める

目次

AWS認定高度なネットワーキング - 専門知識 試験構成

1

ネットワーク設計

2

ネットワーク実装

本記事の対象
3

ネットワークの管理と運用

4

ネットワークのセキュリティ、コンプライアンス、ガバナンス

「ネットワーク実装」の全体像

AWS Advanced Networking - Specialty (ANS-C01) 試験において、ネットワーク実装は、設計されたアーキテクチャを実際に構築し、機能させるための具体的な技術力が問われる分野です。この分野では、個別のサービスの知識だけでなく、ビジネス要件や技術的制約に応じて、複数のサービスを最適に組み合わせる実装能力が問われます。

本記事では、ネットワーク実装を"ハイブリッド接続とグローバルネットワーク"、"DNSと名前解決の実装"、"VPC内接続とセキュリティ"、"ネットワークの診断と自動化"の4つの柱に分け、Direct Connect、Transit Gateway、Route 53 Resolver、VPC Endpoint、CloudFormation StackSetsなど10の重要トピックを網羅し、実践的な問題とともに解説します。

試験で重要な4つの柱

1

ハイブリッド接続とグローバルネットワーク

Direct Connect, Transit Gateway, NAT Gateway等を組み合わせ、オンプレミス環境や複数リージョンにまたがるスケーラブルなネットワークを実装する。

2

DNSと名前解決の実装

Route 53の高度な機能(レコードタイプ、クエリログ、Resolver)を駆使し、複雑なハイブリッド環境やマルチアカウント環境での名前解決を実装する。

3

VPC内接続とセキュリティ

VPC EndpointやEgress-Only Internet Gatewayなどを使用し、VPCから外部サービスへのセキュアでプライベートな通信経路を実装する。

4

ネットワークの診断と自動化

VPC Flow LogsやReachability Analyzerなどの診断ツールを使い分け、接続問題を効率的にトラブルシューティングする。CloudFormation StackSetsによるインフラ自動化を実装する。

ハイブリッド接続とグローバルネットワーク

オンプレミス環境や複数のAWSリージョンにまたがるネットワークを、安全かつ効率的に接続するための実装パターンです。Direct Connectによる専用線接続の冗長化、Transit Gatewayを中心としたハブアンドスポークモデル、プライベートNAT Gatewayによる送信元IPの固定化など、企業の要件に応じたスケーラブルなアーキテクチャを構築する技術が問われます。

AWS認定高度なネットワーキング - 専門知識

練習問題

ある医療機関は、eu-west-1リージョンに5つのVPCを持っています:1つのセキュリティ管理VPC、3つの異なる部門のアプリケーションVPC、1つの共有サービスVPC。現在、AWS Direct Connectを通じてオンプレミスデータセンターに接続されていますが、各VPC間の通信とオンプレミス環境へのアクセスを最適化するためにハブアンドスポークモデルを実装したいと考えています。 ネットワークエンジニアはTransit Gatewayを作成し、デフォルトのルートテーブル関連付けとデフォルトのルートテーブル伝播をオフにしました。すべてのVPCとDirect Connect Gatewayを Transit Gatewayにアタッチし、各VPCルートテーブルにTransit Gatewayをネクストホップとする0.0.0.0/0へのルートを追加しました。 セキュリティ要件として、部門のアプリケーションVPC同士は相互に通信できないようにする必要がありますが、すべてのVPCはオンプレミス環境および共有サービスVPCと通信できる必要があります。また、セキュリティ管理VPCからはすべてのネットワークリソースにアクセスできる必要があります。 この設計要件を満たすために、ネットワークエンジニアはどのような構成ステップを実行する必要がありますか?

この問題のように、Transit Gatewayのルートテーブルを分離・集約することで、柔軟なVPC間通信制御を実現できます。さらに、Direct Connectによる物理的な冗長化や、プライベートNAT Gatewayによるオンプレミスファイアウォールとの連携など、要件に応じた様々な実装パターンが存在します。

以下の記事では、これらの具体的な実装方法と設計パターンを深く掘り下げます。

DNSと名前解決の実装

Route 53の高度な機能を活用し、複雑なネットワーク環境での名前解決を実装する技術です。ALIASレコードやNSレコードといったレコードタイプの適切な選択、ハイブリッド環境での双方向DNS解決を実現するRoute 53 Resolverの構成、セキュリティ監査のためのクエリロギング設定などが含まれます。

AWS認定高度なネットワーキング - 専門知識

練習問題

ある企業がAWS環境とオンプレミス環境間のハイブリッドDNSアーキテクチャを実装しています。企業には次の要件があります: 1. example.comドメインは現在オンプレミスのDNSサーバーで管理されており、これを引き続き使用する 2. us-east-1リージョンに特化したdev.example.comサブドメインはAWS上で管理する 3. eu-west-1リージョンに特化したprod.example.comサブドメインもAWS上で管理する 4. オンプレミスのシステムからdev.example.comとprod.example.comのリソースを名前解決できる 5. AWS上のリソースからオンプレミスのexample.comリソースを名前解決できる 6. リージョン間のトラフィックを最小限に抑える この要件を満たすために、ネットワークエンジニアはどのようなDNS構成を実装すべきですか?

この実践問題は、オンプレミスと複数のAWSリージョンが混在する環境で、いかにして一貫性のある名前解決を実現するかという、ハイブリッドDNSの典型的な課題を示しています。この実装を成功させるには、レコードタイプの適切な選択、クエリログによる監視、そしてRoute 53 Resolverの深い理解が不可欠です。

以下の記事では、これらのDNS実装に関する重要トピックをそれぞれ解説します。

VPC内接続とセキュリティ

VPC内のリソースから、インターネットを経由せずにAWSの各種サービスや他のVPCのサービスへプライベートに接続するための技術です。Gateway型とInterface型のVPC Endpointの使い分けや、IPv6環境でアウトバウンド通信のみを許可するEgress-Only Internet Gatewayの実装方法などが含まれます。

AWS認定高度なネットワーキング - 専門知識

練習問題

ある企業はAWS上でマルチリージョンアーキテクチャを持つクラウドネイティブアプリケーションを実行しています。このアプリケーションは大量のデータを処理して機械学習モデルをトレーニングします。現在、アプリケーションは開発環境のプライベートサブネットにあるEC2インスタンスから、Amazon S3バケットに格納されたトレーニングデータセットにアクセスする必要があります。データセットのサイズは1PBを超えるため、ネットワーク帯域幅と遅延が懸念されています。また、企業はデータを転送する際のセキュリティを確保し、インターネットを経由せずにAWSのサービスにアクセスしたいと考えています。 ネットワークエンジニアは、セキュリティとパフォーマンスを最適化しながら、EC2インスタンスからS3バケットへの接続を設定するための最適な方法を特定する必要があります。 どのソリューションがこの要件を満たしますか?

この問題が示すように、VPCからAWSサービスへプライベートに接続する際は、コスト、パフォーマンス、接続方式を考慮して、Gateway型とInterface型のVPCエンドポイントを正しく使い分ける必要があります。また、IPv6環境では、Egress-Only Internet Gatewayを用いたアウトバウンド専用通信の実装も重要なセキュリティパターンです。

以下の記事で、これらの実装詳細を学びましょう。

ネットワークの診断と自動化

構築したネットワークが意図通りに機能しているかを確認し、問題が発生した際に迅速に原因を特定するための診断技術と、インフラの一貫性を保ち、デプロイを高速化するための自動化技術です。VPC Flow LogsとReachability Analyzerの使い分けや、CloudFormation StackSetsによるマルチアカウント・マルチリージョンへのインフラ展開などが含まれます。

AWS認定高度なネットワーキング - 専門知識

練習問題

ある製造業企業が、AWS環境とオンプレミスネットワーク間の複雑な接続構成を実装しました。AWS環境には複数のVPCがあり、Transit Gatewayを使用して接続されています。オンプレミス環境はAWS Direct Connectを通じてAWS環境に接続されています。最近、特定のオンプレミスアプリケーションからAWS上のサービスへの接続に問題が発生していますが、他のアプリケーションは問題なく接続できています。 ネットワークエンジニアはオンプレミスとAWS環境間の接続性の問題を効率的に特定して診断するために、どのようなアプローチを取るべきですか?

この問題のように、ネットワークのトラブルシューティングでは、VPC Flow Logs(事後的なトラフィック分析)とVPC Reachability Analyzer(事前の設定診断)といったツールの特性を理解し、状況に応じて使い分けることが迅速な問題解決に繋がります。さらに、問題の発生を防ぎ、一貫性のある環境を維持するためには、CloudFormation StackSetsのようなIaCツールによるインフラの自動化が不可欠です。

以下の記事で、これらの診断と自動化の実装方法を解説します。

まとめ

AWSにおけるネットワーク実装は、単一のサービスで実現できるものではなく、複数のサービスを組み合わせた包括的なアプローチが不可欠です。ハイブリッド接続、DNS、VPC内接続、診断・自動化という各側面で最適なサービスを選択し、それらを連携させることで、スケーラブルで可用性が高く、セキュアなネットワークアーキテクチャを構築できます。

本記事で取り上げた各トピックと実践問題は、ANS-C01試験で問われる中核的な知識です。各サービスの役割と適用場面を正確に理解し、シナリオに応じて最適なソリューションを実装する能力を養うことが合格への鍵となります。

tsumikiで学習する

この分野では、実際の企業のネットワーク要件に基づいたシナリオ問題を数多く解くことが、合格への最短ルートです。各サービスの技術的な詳細を理解した上で、複数の要件を満たす最適解の選択を繰り返し練習することが重要です。

tsumikiの関連記事との組み合わせ学習により、詳細な技術知識統合的な実装力の両方を効率的に習得し、AWS ANS-C01試験での確実な得点獲得を目指しましょう。

他の問題も解いてみませんか?

tsumikiでは、AWS認定試験の合格に必要な知識を体系的に学習できます。実践的な問題を通じて、AWSスキルを身につけましょう。